透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

486 川上村樋沢の火の見櫓

2014-06-05 | A 火の見櫓っておもしろい

  
486 南佐久郡川上村樋沢
  

 見張り台の大きさに比して屋根が小さい。よく見ないと小さな蕨手には気付かない。屋根を支える柱材が細い!鋼板張りの床。

 

櫓の外側に設けられた踊り場。小屋根の下に半鐘を吊るしてある。平鋼を踊り場の床を支える方杖に使っている。まさか人の体重(荷重)程度で平鋼が座屈することはないだろうが、取り付け方を上下反転して手すりの付け根のあたりから、引張り材として付けた方が構造的な違和感を感じないですむのかもしれない。



脚元。アーチ材と柱材をガセットプレート(部材接合用鋼板)で接合している。このような脚元を見るのは初めてかもしれない・・・。


 


485 川上村御所平の火の見櫓

2014-06-05 | A 火の見櫓っておもしろい

  
485 南佐久郡川上村御所平 

■ 県道68号線沿いに立つ火の見櫓。 4角形の櫓と、同じく4角形の屋根(ともに平面形)に円形の見張り台という構成。櫓は直線的に下方に広がっている。東信地方では櫓の上半分のブレースに平鋼を使っているものが多いが、この櫓は全てリング式ターンバックル付きの丸鋼を用いている。平鋼よりスケスケ感がある。

  

屋根が変形している。頂部の避雷針にはやや大きめの飾り、下り棟の先には小さなくるりんちょ(蕨手)がついている。見張り台の手すりはしもぶくれ。下を広げることに機能的な理由は見い出せない。単なる意味の無いデザインか。蕨手同様細い丸鋼の飾りがついている。床を支える方杖は反っている。

  

中間のカンガルーポケット踊り場(と勝手に命名した)は東信によくあるタイプ。手すりは見張り台と同じデザイン。ここにも半鐘が吊り下げてある。半鐘の表面はつるりんちょ(平滑)。踊り場側のブレースは2段抜いてある。消防団員の昇降を考えればこれは当然のこと。

   

 

脚は短い。やはり末広がりの櫓でないと美脚にはならない。信号表示板が吊るしてある。アーチ部材が基礎まで伸びているのは構造的にも意匠的にも好ましい。