駅舎側の柱のディテール
■ 小野駅は中央本線(辰野支線)の小さな駅だ。ホームを繋ぐ跨線橋の柱に注目。今なら角型鋼管を使うだけで、味もそっ気もないが、この柱はすごい。
駅の開業が明治39年(1906年)とのことだから、この柱もその時に造られたものかもしれない。 いや、少し時代は下るのかな・・・。ブレースに用いられているターンバックルは火の見櫓でもおなじみのリング式だが、肉厚だ。今なら鋼管をカットしてつくるだろうが、昔は平鋼を曲げてつくっていたようだ。
階段を支える側桁にも注目。今ならH形鋼を用いるのが一般的だろうが、この跨線橋はラチス梁を用いている。
コスト縮減と工期短縮最優先。今は本当に豊かな社会などとはとても言えないのではないか、このような工作物を観察しているとそう思えてならない。