■ 落下途中で過冷却状態となった雨粒が樹木などにぶつかると、一気に凍りつく。この現象が雨氷。地表付近の気温が上空より低いときに発生しやすいそうだ。長野県内で数年に1回くらいの頻度で発生すると言われているこの現象が1月末に起きた。
信濃毎日新聞の2月2日付朝刊のコラムがこの雨氷に触れていて、枝が厚さ3ミリの雨氷で覆われると氷の重さは枝本体の5~7倍にもなるという、長野県林業センターの研究リポート(*1)を紹介している。こんなに重くなるなら、木が倒れてしまうのも不思議ではない。いくら神様が用心深いとしても木にこれほどの積載荷重(?)を見込んではいないだろう・・・。
先月末に発生した雨氷で多数の倒木が道路をふさぎ、松本市の扉温泉や山形村の清水高原では旅館の宿泊客らが孤立した。
上の写真は2010年2月13日の雨氷の様子。枝が氷でコーティングされている。先日起きた雨氷でも木の枝がこんなことになったのだ。
先のコラムでは空気中の水蒸気が樹木に凍り付く霧氷についても触れている。霧氷は氷の状態によって3つに分類されるそうだ。
結晶がよく見える状態を樹霜と呼ぶそうで、1月26日の朝に撮影した下の写真がその樹霜だと分かった。樹霜、覚えておこう。
霧氷は他に粗氷と樹氷があるそうだ。粗氷は氷が透明か、半透明な場合、樹氷は白く不透明な場合。
ここまでの復習。
雨氷と霧氷(樹霜、粗氷、樹氷)
*1 同レポートによると、枝を覆う雨氷の厚さが5ミリになると、氷の重さは枝の重さの10~14倍になるという。 雨氷の枝の重量を量って調べたそうだ。また、雨氷現象が発生しやすい標高は約900~1250メートルという報告も同レポートに載っている。
1月末に発生した雨氷による倒木は林野庁・県の調査で標高800~1100メートルに集中していたことが分かったそうだ(信濃毎日新聞 2月3日付朝刊 社会面の記事による)。