■ 『殺人摩天楼』 フィリップ・カー/新潮文庫。帯に**ハイテク・ビルが人間を襲う!**とあるように、この長編小説は全てをコンピュータで管理するインテリジェント・ビルが人を襲うというパニック・ホラー。コンピュータの反乱はアーサー・C・クラークも『2001年宇宙の旅』で描いている。この小説を読んだのは1998年(平成10年)で、ブログを始めたのは2006年だから記事にはしていなかった。
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台湾南部で今月(2月)6日に発生した地震で地上16階建ての集合住宅が倒壊し、多くの犠牲者が出ている。新聞に掲載されている写真をみると、柱と梁の交叉部がことごとく剪断破壊している。柱・梁の主筋が細く、本数も少ないのでは。フープ筋・スターラップ筋はどの位のピッチで入っているのか全く分からない。20年以上前に建設されたそうだが、当時の設計基準はどうなっていたのだろう。基準通りに設計・施工されたのだろうか・・・。
コンクリート躯体には塗料やサラダ油の缶や発泡スチロールの塊などが入っていたというから、不正な工事が行われていたことになる。
地震動の周期と倒壊した集合住宅の固有周期が一致していて共振し、揺れが大きかったのかもしれない。
不運が重なってしまったようだ。
建築の第一義は人の生命を守ること。だがなんということだ、建築が人の命を奪ってしまう事故が繰り返し起きている・・・。
犠牲になられた方々に哀悼の意を表します。