■ サクラ、ウメ、モモ、ナシ、リンゴ。バラ科の花は花びらが5枚。ツツジ科も5枚。ナス、ジャガイモ、トマト、スイカ、カボチャ、メロン。ナス科やウリ科の花も花びらが5枚。
下諏訪町にて
今読んでいる『ウニはすごい バッタもすごい』本川達雄/中公新書になぜ花びらが5枚の花、5弁花が多いのか、その理由(仮説)が示されている。
花弁はただ見せるだけの看板ではなくて、虫を花の中央へと導く滑走路のようなものではないか、と本川さんは考えている。私は文意から滑走路より誘導路とした方が良いのではないかと思うが、文中では滑走路という言葉が用いられているので以下の文章でも滑走路を用いる。
1本の滑走路は両方向から誘導することができるから3本の滑走路が三菱のマークの3つの菱型のように(図解しないで説明するのは難しい。このことを以前ラジオ番組で火の見櫓の形について話したときに実感した)放射状に伸びている場合は6方向誘導できる。だが6本の滑走路が放射状に伸びていても、3本の場合と同じ6方向のみ。4本の滑走路が放射状(十字型)に伸びていても誘導できるのは4方向のみ。だが、5本の滑走路が放射状に伸びていれば10方向から誘導することができる。このように偶数より奇数の滑走路の方が効率的に誘導することができることを本川さんは図解している。
---〇― この滑走路―に左側からアプローチすれば〇(着陸ポイント)から一番離れたところに着陸してしまい、引き返してこなくてはならないのでは? と私は思ってしまったが、上述したように滑走路は誘導路であって、―を頼りに---のコースを取って〇に着陸すると理解した。この場合 ---〇―は ―〇―と同じことだから1本の滑走路でも直列している2本の滑走路でも2方向しか誘導できない。このように偶数の場合は滑走路の数しか誘導できない。
3本― 6方向
4本― 4方向
5本―10方向
6本― 6方向
3枚から6枚までの花びらの数では5枚の場合が最も多い10の方向から虫を誘導でき、それだけ受粉の確立が上がり効率が良くなる。ただ、花びらが7枚以上になると隣がごく近いために誘導路の見定めが難しくなり、最適数は5枚。これが5弁花が多い理由というわけ。なるほど!
では花が横向きに咲いている場合も同じこと? 虫は飛行機とは違って下から上に向かってアプローチすることもあるのだろう、と自問自答。
この本はおもしろい。