■ 今年、ブックレビューに載せた本は53冊、この中から今年の3冊を挙げる。
『西郷札』 松本清張短編全集1/光文社
松本清張のデビュー作にして直木賞候補作。今年松本清張短編全集全11巻を読んだ。印象に残る作品が何作かあったが、1作品挙げるとすればこれ。
『流れとかたち』 エイドリアン・ベンジャン J・ペダー・ゼイン/紀伊國屋書店
「コンストラクタル法則」が支配するかたちの進化。**流れるもの動くものはすべて、存在し続けるために(生きるために)進化するデザインを生み出す。これは願望でも目標でもなく、自然の傾向、つまりは物理的現象なのだ。**(29頁)
樹木、河川、動物の身体構造、空港施設、道路網・・・、生物・無生物を問わず、すべての形は流れの最適化に向かって進化する。
『維新革命への道』 苅部 直/新潮選書
**明治維新で文明開化が始まったのではない。すでに江戸後期に日本近代はその萌芽を迎えていたのだ。**
明治維新は歴史的必然。