■ 信濃毎日新聞7月31日付の「コメ在庫 過去最少」という見出しの記事が気になって読んだ。先日『食料危機の未来年表 そして日本人が飢える日』高橋五郎(朝日選書2023年)を読んだので。
**統計を取り始めた1999年以降で過去最少となった。23年産の高温障害の影響や消費回復が背景にある。**と記事のリード文にある。上掲の本でも食料危機の大きな原因として、地球の気候変動を挙げている。また、消費回復の原因について新聞記事には**パンや麺類と比べて価格上昇が抑えられ「値頃感」があったことも原因だと説明している。**とある。パンや麺類の価格上昇の主因は材料の小麦の価格高騰であることは明らかだ。
この本には主要な穀物である小麦・トウモロコシ・コメ・大豆の生産量の上位5か国の合計が占める割合を示すグラフが掲載されているが(53頁)、例えば大豆ではブラジル・アメリカ・アルゼンチン・中国・インドで9割近く(89.5%)を占めている。中国は先に挙げた主要な穀物の全てで上位5か国に入っている。
本で著者は**それぞれの穀物生産上位の国々が組めば、13か国が加盟するOPEC(石油輸出国機構)を上回るほど強力な世界支配機構が誕生しうるというのが現実である。**(55,56頁)と指摘している。日本はコメを除き、小麦・トウモロコシ・コメ・大豆のほぼすべてを海外に依存している。ちなみに2022年度の大豆の自給率は6%(農林水産省のHPによる)。
これで、コメまで不足するということになったら・・・。日本の農業従事者の平均年齢は農林水産省のHPによると68.7歳(令和5年)、会社員なら定年退職している歳だ。
食料問題を深刻に捉えて、対策を講じないと日本人が飢える日が来てしまう・・・。