透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

読書バリアフリー

2024-02-02 | D 新聞を読んで

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 前稿にI君とカフェトークしたことを書いた。I君は何年か前から一貫して歴史書を読み続けている。私はというと関心の趣くままにあれこれ読んでいる。発散型人間だからだろう、関心があちこちに飛ぶ。

仮に後10年読書を続けるとすれば、1年で50冊、10年で500冊と想定した。だが・・・。

今日(2月2日)の信濃毎日新聞の文化面(11面)に「読者バリアフリーと出版界 当事者の声が社会動かす」という見出しの記事が大きく紙面を割いて掲載されていた。身体に障害のある作家・市川沙央さんの芥川賞受賞作『ハンチバック』が取り上げられていて、この作品によって**「多くの出版関係者は、市川さんが声を上げたことで障害当事者の困難を再認識したと思う。(後略)」**というある出版社の方のコメントが記事の中にある。

記事を読んで「読書困難者」について考えた。

私は図書館や書店へ車を運転して出かけることができ、本を借りたり買い求めることができる。本を読む姿勢(椅坐位)を保持できる。本を手に持ってページを繰り、文章を読むことができる。

今後10年で読むことができる本は500冊、と想定した。だが、これらの一連の行為のどれかが出来なくなれば本を読むことが困難になる。誰でも病気や事故によって読書困難者になり得るのだ。

「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」通称、読書バリアフリー法の法文を文部科学省のホームページなどで読むことができる。活字等の文化の恩恵をすべての人が享受できる社会を実現するための法律と言えるだろう。だが、上記の一連の行為をサポートする環境を整備するとなると、多くのハードルがあるとことは容易に分かる。

ぼくにとって読書は食事と同じで、毎日欠かせない行為。今は何の不自由も無く本を読むことができるが、これは実に有難い、そう漢字の表記通りのことなんだ、と改めて思った。

読者バリアフリーの環境整備が進むことを望む。


 


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