「読まずに死ねるか本」の1冊、レイ・ブラッドベリの『華氏451度』ハヤカワ文庫
■ 思考実験は何も理系的な課題・内容ばかりではない。小説もまた思考実験の所産、ということができるだろう。
『華氏451度』を読んだのは2019年の7月。このSF小説のことを知ったのはたぶん大学生の頃。あるいはその時にざっと読んだのかもしれないが、記憶に無い。
本を所持することも読むことも禁じられた社会。主人公はファイアマン(消防士ではなく、昇火士)。隠匿されている本を昇火器で焼き尽くすのが仕事。こんなディストピアで人はどうなるのか、生きていくことができるのか・・・。
読書離れが指摘されて久しい。最も多読な4年間を過ごすはずの大学生ですら本を読まなくなって、部屋に書架も無ければ蔵書もないという現実。現代社会はブラッドベリが風刺した社会になりつつあるのではないか・・・。
2019年7月15日「本が好き」の記事 再掲。 96稿目、あと4稿・・・。