■ 朝日村の朝日美術館で開催中の蜜波羅伸三展に行ってきました。幸運なことに会場でそれぞれの作品についてご本人から解説していただき、私の質問にもお答えいただくことができました。
八ヶ岳連峰や木曽御岳山が、油絵でありながら、実に繊細に描写され、ピンク色というか、紫色というか、近景の山肌が独特の色彩で表現されています。
蜜波羅さんは東京藝大で彫刻を専攻された方で、本格的に絵を始めたのは40歳を過ぎてからとのことでした。
フィレンツェの街並みを俯瞰した作品では赤茶色の瓦を明るく描いています。そこにはヨーロッパの風景を描いた油彩作品によく見られる陰鬱な雰囲気はありません。その明るい色彩は初めて観るものでした。
前衛的な白銀の女性の動く彫刻、髪の毛にパリの蚤の市で手に入れた(と教えていただきました)たくさんの鍵を使った真鍮製の胸像(下の写真)、少女の具象的なブロンズ像など会場には彫刻作品も数多く展示されています。
▲「Philosopher」 頭髪に鍵を使った作品
▲「枠の中」(共にパンフレットの表紙より)
▲「希望」 朝日小学校の昇降口前に設置されている蜜波羅さんの作品
多彩な作品に蜜波羅さんの常に挑戦的な創作活動が窺えます。
作品鑑賞後、控室でお茶をいただきながら学生時代の想い出話などを聞かせていただきました。
このようなことをしていただけるのも地方の小さな美術館の良さでしょう。
この芸術家さんのことは存じ上げませんでしたが、
静かなのに挑戦的な印象を受ける作品ですね。
インスピレーションはどこからわくのでしょうね。。。
**鍵を見て、髪の毛を思いつく自由な発想が蜜波羅の真骨頂だ。**と学芸員の紹介文にあります。本当に発想豊かな作品ばかりでした。
以前、普段ドイツで活動しておられれる彫刻家からも作品解説をしていただいたことがありました。
地方の美術館の飾らない雰囲気もいいものです。