■ 安曇野市内のA保育園に出かける機会がありました。
保育園はごく一般的な平面計画の場合、各年齢の保育室を南面させて、直線的に配置しますから、保育室前面のテラスは「繰り返しの美学」が成立する基本的な要件(直線的に伸びる空間)を満たします。あとは設計者がそれを意識してデザインするかどうか、です。
この保育園のテラスは床が再生木材のデッキ、壁が板張り、屋根は膜構造です。等間隔に並んだ鋼管柱、その頂部の両腕を広げたような斜材が「繰り返しの美学」していますね。
すっきりした構造で、園庭からみると美しいウェーブを描いています。膜屋根の上の外壁は鋼板の立てハゼ張り。モスグリーンが上品で膜の白との対比がきれい(この写真にも写っています)。デザインから設計者の人柄が窺えます。衒いのない素直なデザインでした。