138 こだま食堂 児玉陽子さん
■ 松本から新島々までを結ぶ上高地線の電車を「線路の上の本屋さん」に変身させてしまうイベントが4月12日(日)に行われる。新島々で停車中は「線路の上のブックマーケット」会場として一般に開放される。この日は本屋さんの他に、カフェ・シュトラッセとこだま食堂が新島々駅改札前に出店する予定とのこと。
こだま食堂ってどんなお店なんだろう・・・。今日(2日)の昼に松本市梓川にあるこだま食堂を訪ね、カレーを味わった。スパイシーなカレーでとても美味かった。
食後に名刺をお渡しして4月12日のイベントに私も参加することなどをお話した。話題が火の見櫓に及び、(その後の展開省略)『あ、火の見櫓!』を購入していただいた。
本を通じた新たな出会いに感謝したい。また出かけて行って食事をし、本の感想を聞かせていただくつもり。
■ 1月31日を以て平安堂あづみ野店と中島書店での『あ、火の見櫓!』の販売を終了いたしました。このことは両店に販売をお願いした際の約束でした。1日に200点、年7万点もの新刊が出ているそうですから、書店に並ぶ本が次から次へと変わっていくことは当然と言えば当然でしょう。
このような現状の中、私の本が「地域のベストセラー」に2か月続けて入るなどということは全く予期しないことで、驚きでした。私の本を読んでいただいた皆さんには感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございました。
皆さんが火の見櫓を見かけたとき、「あ、火の見櫓!」と発するようになっていただけたら幸せです。
2019年10月18日(金)市民タイムス 11月15日(金)市民タイムス
火の見櫓は機能的な役目を後継の防災行政無線に譲りつつありますが、地域のシンボル、コミュニティの象徴としての存在意義まで失ったわけではありません。
昨日(2月1日)の信濃毎日新聞に掲載された記事によると、藤森照信さん設計の茅野市宮川高部区の公民館では「地域の象徴となるように、火の見やぐらをしのばせる鐘付きの柱を建てる」ことになっているそうです。この記事を読んでとても嬉しく思いました。このことに関連して夢想していることがありますが、敢えて書かないでおきます。来年の5月にこのブログでお知らせ出来るかもしれません。
私の火の見櫓巡りはこれからも続きます。火の見櫓の広くて深い世界に出口はありません。
『「馬」が動かした日本史』蒲池明弘(文春新書2020)を読み始めた。
街道、境界。日本史を読み解く観点、今度は馬。
**日本に朝鮮半島から馬が持ち込まれたのは古墳時代の中期。その軍事的、経済的なインパクトによって、この国のかたちは大きく変わった。水田稲作が普及した後は西日本にあった国の軸が、東日本へ傾き始めたのだ。巨大古墳の造営、武士の誕生、武士政権の成立・・・・・この国の歴史は馬が動かした。**(カバー折り返しの本書紹介文)
今年はどんな本と出会うことになるのだろう・・・。
■ 昨年(2019年)1年間に読んだ本をこのブックレビューで集計した。63冊だった。私にとって読書は生活に欠かせない基本的な営みだ。
読書録として以下に1月の読了本9冊を挙げておく。
『「街道」で読み解く日本史の謎』安藤優一郎(PHP文庫2016)
『境界の日本史 地域性の違いはどう生まれたか』森先一貴・近江俊秀(朝日新聞出版2019)
『境界のかたち その建築的構造』保坂陽一郎(講談社サイエンティフィク1984)
『火の見櫓暮情』内藤昌康(春夏秋冬叢書2008)
『安部公房とわたし』山口果林(講談社2013)
『国語教育 混迷する改革』紅野謙介(ちくま新書2020)
『「私」をつくる 近代小説の試み』安藤 宏(岩波新書2015)
『桃太郎は盗人なのか? 「桃太郎」から考える鬼の正体』倉持よつば(新日本出版社2019)
『どくとるマンボウ青春記』北 杜夫(中公文庫1973)
今日は20200202、数字の並びがおもしろい日
信濃毎日新聞2月1日付朝刊31面より(黄色い〇は筆者による)
■ 信濃毎日新聞の朝刊に「藤森さん 故郷の公民館設計」という大きな見出しの記事が載っていた。建築家・建築史家の藤森照信さんが出身地の茅野市宮川高部区の新しい公民館を設計し、来年の5月に完成予定だと記事のリード文にある。
計画の特徴(コンセプト)が見出しの横に示されているが(写真)、その内のひとつに「地域の象徴 2本の柱設置」がある。模型写真を見ると、枝付きのままの木の柱が切妻屋根の両端を貫いていて、鐘が吊り下げられている。
このことについて**外部には、地域の象徴となるように、火の見やぐらをしのばせる鐘付きの木の柱を東西に一つずつ建てる。**と説明されている。(追記:この説明だと、屋根の東西に建てる2本の柱に鐘を吊り下げるということになるが、鐘を吊り下げるのは西側の柱のみ、だと思う。尚、柱の助数詞は本で良いはず)
すばらしい! そう、東京タワーが東京のシンボルであるように、火の見櫓は地域のシンボル・象徴なのだ。
工事がいつ始まるのか、記事には載っていないが、完成予定が来年の5月だから、しばらく先、6月か7月頃だろうか。工事中、見学に行きたい。ワークショップ(*1)が開催されるかもしれない。
今年の楽しみがひとつできた。
*1 もしかしたら屋根が銅板一文字葺きになっていて、地元の人たちに参加して葺いてもらう、なんてことを藤森さんは考えておられるかもしれない。
藤森さんのデビュー作:茅野市神長官守矢史料館(1991年)撮影日181021
以下の続きはネットで得た長野日報の情報による。
外壁は焼杉の板張り。また、屋根は変形切妻で、急勾配の面は銅板葺き(やはりそうだ)、緩勾配の面は記事ではトタン葺きとなっているが、おそらくガルバリウム鋼板だろう。既存の公民館を5月に取り壊して、建設するそうだから着工は6月ころだろう。建物の外周には当然足場を掛けるから安全が確保でき、屋根の銅板葺きの作業をワークショップで行うこともできるだろうが、藤森さんは焼き杉作業に区民の参加を希望しているようだ。
建設過程の情報も発信されるだろう。
トタン:亜鉛メッキ鋼板
ガルバリウム鋼板:亜鉛アルミ合金メッキ鋼板