今回のロンドン探索には、地下鉄を活用した。慣れればこれほど便利な交通機関はない。ロンドンの地下を縦横に走っているが、東京の地下鉄を思えば、まだわかりやすい。
地下鉄を利用するには、Oyster Cardを入手するのが便利である。Oyster Cardというのは、日本でいうとSUICAみたいなもので、同じ利用区間でも割引が受けられる。私は今回四十ポンドをチャージしたが、五日間でほぼ使い切った。
エッジウェア駅は、地下鉄Northern Lineの終着である。ここまで来ると地下鉄も地上を走っているので、あまり地下鉄っぽくない。
エッジウェア駅
宮永孝氏がエッジウェアのハリー・パークスの墓を訪ねた記録を小文に記録しているので、それを頼りに、パークスの墓を訪ねる。ニューヨークではハリスの墓まで行ったので、ロンドンでパークスの墓をお参りしなくてはバランスを欠くだろう。
エッジウェア駅を降りて、パークスの墓のある聖フローレンス教会までほぼ一本道である。徒歩十五分ほどで、右手にフローレンス教会が現れる。
(聖フローレンス教会)
聖フローレンス教会
教会の前に記載されている説明によれば、この教会は1715年にジェイムズ・ブリジスという人物により再建されたものだそうだ。記載によれば、作曲家のヘンデルに雇われたとある。
教会の建物の周りにぎっしりと墓が建てられているが、その中の一つがハリー・パークスのものである。特に案内があるわけでなく、甚だ分かりにくい。幕末の日本に大きな影響力を発揮した人物の墓としては、意外なほど質素なものである。今回ロンドン滞在中にパークスの墓を訪ねることができたのは最大の収穫であった。
パークスの墓
墓碑には以下の通り刻まれている。
IN LOVING MEMORY OF SIR HARRY SMITH PARKES DIED 22ND MARCH 1885
FANNY HANNAH PARKED DIED 12TH NOV 1878
教会内には、パークスや妻ハンナの顕彰プレートもあるらしいが、残念ながら鍵がかけられており、中に入ることは叶わなかった。