劇団ステージドア第21回公演『今夜はホテル・エミリアで』が
満員盛況のうちに、無事終了しました。
スタッフをはじめとする関係者のご協力に感謝します。
さて、今回も一週間に渡って本番舞台での裏話をお話しましょう。
今回の公演で一番気合が入っていたのが2幕のオープニング。
男性陣全員が海賊の衣装に身を纏って、サンバのリズムで登場です。
稽古の時から、このサンバのリズムに乗れないおじさん、おばさんたち。
特に男性陣は、殆どの人がサンバというより阿波踊りか炭坑節・・・
までは行かないにしても、軽快なステップを踏んでる人は皆無。
それでも皆、格好など気にせず楽しんでいたのが良かったです。
男性陣の海賊の衣装は、全部自前。
中には通信販売で衣装を揃えたものだから、全く同じものだったり
男性陣は皆さん、経済的に余裕がある方ばかりなので
本当に気合が入っていました。
今回、あえて名前は言いませんがケバケバしい不動産会社の社長役と
新聞記者(私にはカメラ好きの釣り人にしか見えませんでしたが・・・)役の
二役をやった、元大手ビルの取締役。
バンダナに、アイパッチ、金ぴかの首飾りに、付け髭・・・・
この方はとにかく、海賊の衣装がよほど気に入ったのか?
とにかく、傍から見ても異常に気合が入っていました。
で、初日の本番中。
楽屋で出番が終わったらしく、1幕の途中なのに早々と
海賊の衣装に着替えて、鏡の前で付け髭を一生懸命つけている。
僕は『確か、この後に出番が会った気がするけど・・・・』って思って
『えぇ?気が早いですねぇ・・・、もう海賊の格好しちゃうんですか?』
ってとぼけて、言ったんだけど意味がわかっていない様子。
隣に居たいたずら好きのIさんと二人で、ニヤニヤしながら
『気合入ってるなぁ・・・・』って、言ったんだけど気がついていない。
僕もIさんも、次のシーンでスーツじゃなく、海賊の格好で登場したら
お客さんが大爆笑するだろうな・・・なんて感じで・・・・。
不真面目な我々の横で、次のシーンで一緒に出るI川さんが
『まだ、出番がありますよ』って言っちゃうものだから、本人は大慌て・・・
それで、やっと気がついたご本人いわく
『この二人は、全く信用できん』って、慌てて着替え始めた。
僕らは全然悪気が無く、芝居を盛り上げようと思っただけなのに・・・・・
で、可哀想だから着替えを手伝ってあげましたよ。一応・・・
台本であと数行、というところでギリギリセーフ・・・・間に合いました。
僕とIさんは
『なんだよぉ、不動産会社の社長がアイパッチつけて出たら面白かったのに・・・』
って、二人で残念がっていました。
意地悪な気持ちなんて、これっぽっちも無かったのです。
それくらい海賊の格好は、皆さん楽しかったようです。
小物も剣やら、火縄銃、ナイフそれぞれ好きなものを買い込んで・・・
女性の方もアラビアの女性風でこちらはアラビアンナイト・・・・
それなら盗賊の方が良かった気がしますが、海賊も海の盗賊。
見た目は海賊の方が解りやすくて違和感も無い。
いかにも遊び心をくすぐる大塚先生の音楽に合わせて、
河岡先生の遊び心満載の振付で更に楽しさが上乗せされ、
それに衣装デザイナーの小林巨和さんの楽しいアイデアがマッチして
今回の舞台で一番見た目も派手な、シーンだったように思います。
しかし、見たかったなぁ・・・
西海岸の不動産王ロナルドが、同じくウォール街の大物ヘンリーに
海賊の格好で
『ヘンリー、ちょっと話が出来るか?』
ってホテル買収の話を持ちかけるところ・・・・
来年は、余計なことは一切言わないようにしようっと・・・・