春一番の強風。
30年ほど前に夢中になっていたウィンドサーフィン。
ウィンドサーファーにとって『春一番』はお祭りみたいなもの。
風が強くて、一番小さなセイルを使っても、まともに乗れないほど、
僕にとって『春一番』は、見るためのものだった気がします。
それでも取りあえず海に行く。
たとえ乗れなくても、その場所に行くことがウィンドサーファーにとって
大事な時間だった気もします。
初めて『春一番』で海に出た時に、凄い恐怖心に襲われた。
あっという間に沖まで出られる代わりに、高い波が襲ってくる。
その波に乗った時の快感が、一度だけある。
でも、そのまま海岸線まで乗って、サーフィンの命であるフィンを
クラッシュしてしまった。
その一回のために、沖で何度も波に巻き込まれながら、
何とか戻って来れたのは、今にしてみれば運が良かったと思う。
波に巻かれたときに、セイルの下に入ってしまい抜け出せなくて
このまま溺れるのか…?と、必死になればなるほど水の中から
抜け出せなかったことを思い出す。
今朝は天気予報で「風速27m、瞬間最大風速35m」と言っていたから
今日はとてもじゃないがウィンドサーフィンは無理だなって・・・・
もう止めてから20年も経つのに、気持ちだけはそんな事を考える。
そんな『春一番』で、ウィンドサーフィンの仲間が一人、命を落とした。
死因は溺死・・・・あの時の恐怖が頭に蘇った。
『なんで、こんな日に…』なんて思うのだが、彼にしてみれば
ずっとウィンドサーフィンを続けてきた若い頃と、
何も変わらない気持ちで、海に行ったのでしょう。
しかし、若いころと違って亡くなった彼も歳を重ねていた。
まだ50歳そこそこの年齢だったんじゃないかな?
最近、サッカーをやっていて年齢には勝てないなって思うようになった。
それでも年相応のサッカーをやればいいと考えて、精一杯やる。
死ぬほどサッカーが好きだけど、死んでしまったら楽しめない。
馬鹿だな・・・・
申し訳ないけれど、そう思う。
でも、好きなことをやって命を落としたのなら、本人にすれば本望かも?
何とも言えない気持ちです。