映画とライフデザイン

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映画「ブリーディング・ラブ はじまりの旅」 ユアン&クララ・マクレガー

2024-07-12 08:15:55 | 映画(洋画 2022年以降主演女性)
映画「ブリーディング・ラブ」を映画館で観てきました。


映画「ブリーディングラブ」ユアンマクレガーの実の娘クララ・マクレガーが企画した脚本を父娘共演のロードムービーにした作品である。監督はオランダ人女性のエマ・ウェステンバーグだ。有害薬物とアルコールの依存症になった娘が母親との離婚で別で暮らす実父とトラックでアメリカの荒野を走っていく。もともとロードムービーが好きで、父娘の交情というテーマは娘がいる自分にはなじみやすい。

実生活でも父母の離婚を経験しているクララの企画で、かわいい娘のプロジェクトにはアメリカのメジャー俳優であるユアンマクレガーも喜んで参加したのであろう。ユアンの親バカになる気持ちはよくわかる。あえてエンディングロールのクレジットトップを娘に譲る

しばらく疎遠だった父(ユアンマクレガー)の車に娘(クララマクレガー)が同乗してサンディエゴから広い荒野の一本道をニューメキシコへ1400キロ走って向かう。走っていく道の周囲には見渡す限り何もない。途中で寄る小さな町でのできごとを語っていく。娘は酒の小瓶に目がない。レストランで別の客の酒に手を出して店員に注意される。途中、アルコール中毒者の禁酒会に立ち寄るあたりで、若くしてアル中になってしまったことを観客にわからせる。娘をリハビリ療養施設に連れていくことが父の目的だと、偶然娘がわかった途端に姿を消す。


普通のロードムービーに複雑な家庭事情を結びつける。
ユアンマクレガー主演でなかったら日本で劇場公開もされなかったであろう。アメリカでは配信のみだったらしい。疎遠だった父娘が2人で旅立つ目的が明示されるわけではない。手持ちカメラで2人を追うが、よくわからないままに前半は比較的退屈だった。途中から逸話を重ねつつ、娘が小さい時の父娘の映像を織り交ぜる。そして、尻上がりに離れた2人の交情に焦点を持ってくる。


ジョンウェインが活躍する西部劇の舞台を思わせる荒野をひたすら走る。公衆用トイレもあるわけがない。トイレが近い娘は草むらでオシッコをする。そこで何かに刺されてしまって性器に違和感を感じる。薬局に行こうとして小さな町に寄っても、早い時間に店じまいしてどこもやっていない。そんな時、父が通りで娼婦に誘われる。そんな気はまったくないが、彼女に娘のアソコを見てくれといい見てもらうシーンが笑える。この辺りから、徐々に展開のリズムがよくなっていく

一緒に暮らした子どもの頃は父娘仲良くても、その家庭を捨てて父は出て行った。本来疎遠である2人がこうして一緒に行くわけがない。きっと娘の素行があまりにも悪いのであろう。本来は頼りにできない元夫に預けざるを得ない状況と察するしかない。あり得ない話ではない。ニューメキシコにある回復のための療養施設にむかっているとは娘はわからずにいる。でも父の真意があるきっかけでわかる。ここで泊まっているモーテルを飛び出す娘、不在であわてる父親。微妙な2人をカメラが追う。娘の彷徨いを思わず心配してしまう。


ラストに向けてはいい感じにまとめた。
ちょうど自分の家でも娘が旅立つ。映画を観て何か感じるものはあった。
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