映画とライフデザイン

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映画「ストレンジ・ウエイ・オブ・ライフ」 ペドロ・アルモドバル&イーサン・ホンク

2024-07-27 06:51:07 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「ストレンジウエイオブライフ」を映画館で観てきました。


映画「ストレンジウェイオブライフ」はスペインのペドロアルモドバル監督の新作映画。なんと31分の短編映画である。地元スペインが舞台ではなく西部劇を題材にした作品だ。ちょうどすき間時間ができたときに映画館に立ち寄る。ペドロアルモドバル監督の作品は毎回楽しみにしている。独特の色彩感覚で不安を呼び起こす音楽をバックにいつもワクワクさせられる。どういった背景で今回の作品を作ったのかはわからない。イーサンホンクとペドロパスカルのダブル主演でいわゆる西部劇をメキシコに近いエリアを舞台にする。

舞台は1910年。若き日に共に雇われガンマンとして働いていた旧友の保安官ジェイク(イーサンホンク)を訪ねるため、シルバ(ペドロパスカル)は馬に乗って砂漠を横断する。出会ってから25年が経つ2人は酒を酌み交わし、再会を祝う。若き日に2人は愛し合った仲で、久々にベッドを共にする。しかし、シルバがここへ来たのは息子のある罪の減免を図ろうとしていたのだ。ジェイクはそれを許さない。


まさに短編、男色系の匂いを残したペドロアルモドバル流の西部劇である。
英語のセリフで,アメリカの西部開拓時代が舞台となるといつもとは違う。音楽も西部劇ぽく始まり,不安を呼び起こすいつものアルベルトイグレシアスの音楽と違う音色なので,今回は音楽担当が変わったのではないかと当初から思ってしまったが、今まで通りで途中からいつも通りになる。


さすがにエンディングロールを含めて31分となると限界がある。若き日に愛し合っていた男性2人が,旧交を温めて、愛し合うシーンはある。バイセクシャルのペドロアルモドバル監督らしい場面だ。特に,この2人が若い頃に愛し合った回想シーンは、ワインと衣装の赤を強調したいつものペトロアルモドバル監督らしい色彩感覚のシーンである。

ただ,今回はシルバーの息子が罪を犯している。保安官のジェイクは見逃すことができない。懸命にかばうシルバーは息子を逃がそうとしているが,ジェイクは許さない。シルバーが息子に逃げろと言いに行くのを,密かに追っていたジェイクと3人が鉢合わせするところがこの映画の最大の見せ場だ。一体どうなってしまうんだろうと思うが,それが終了してしばらく経って気がつくと、映画は終わってしまう。まさに短編小説のような余韻を持つ。
コメント
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