冬になると自然界の花々が絶えて淋しくなります。そのせいで花を買う人が増えるようです。その上、師走になるとクリスマスやお正月が近づいてきて花屋さんが一層活気づきます。先日、花を買いに行った店先も華やかでした。その折に撮った写真をお送りいたします。お楽しみ頂けたら嬉しく存じます。
昨日は急に晴れ上がり、暖かい南風が吹いて春のような陽気になりました。午後から家内と多摩湖(村山貯水池)へ散歩に行きました。堰堤の下側は都立狭山自然公園になっていて大きな無料駐車場があります。
公園のクヌギが見事な黄葉になっています。木立の下には美しい落ち葉の小道が続いています。
そして堰堤の上に出ると多摩湖の湖面が太陽に輝き、その向こうに奥多摩の山並みが碧く光っています。散歩しながら写真を撮りました。下にその写真をお送りいたします。
写真のような風景の中を歩いて平和な気分になっていました。しかし歩き始めてからすぐに大きなジェット戦闘機の爆音がしました。この公園の北は航空自衛隊の入間飛行場があるのです。
前脚を下し、着陸態勢に入ったジェット戦闘機がゆっくり降下しています。ゆっくり飛んでいますが非常に大きな爆音が響いています。
それが一機や二機ではありません。5分おきくらいにひっきりなしに着陸して行くのです。不気味な暗い灰色に塗った大型輸送機や爆撃機のようなものも降りて行きます。
以前もこの堰堤を散歩している時、着陸態勢に入ったジェット戦闘機を見ましたが最近は急に数が増えたような気がします。
平和な多摩湖の風景の上空には戦争に使う飛行機がしきりに飛んでいるのです。
その影響でつい中東の激しい戦争のことを思い出します。
そして揺れ動くフランスやアメリカの社会へ想いを馳せます。
下にフランス在住の元日本人のMotoko Boutdumondeさんから頂いたコメントを、本人のご承諾を頂いたので紹介します。揺れ動くフランスの社会の様子が描いてあります。日本のマスコミからは分からない緊迫した雰囲気が書いてあります。
===Motoko Boutdumondeさんからの頂いたコメント========
今回のフランスの地方議会(州議会)選で極右翼の『国民前線』が第一党になったのは、本当に恥ずかしいことだと思います。ナチスと同じ考えを持った政党ですが、今は票集めのために過激なことは一切言わず、無知な国民を甘い言葉で誘っています。第二次世界大戦のドイツのユダヤ人収容所やガス室での大量殺人を「歴史から見ると末梢的な部分」との発言をした党の創始者であるル・ペンを父の後を継いで党首となった娘が党から追放しました。『国民前線』に人気が出てきたからこういった極右翼的な部分は隠したかったのでしょう。しかし父と娘の考えは根底では同じなのです。驚いたのは、この党のなかの立候補者に北アフリカ系の移民の子孫のイスラム教徒がいたということでした。まあ、ナチスもイスラムもユダヤを嫌っているからそういうところからこうなったのかもしれませんが、まあ、本当にため息が出ることばかりです。私の住んでいる町はこの間の市長選から市長や市議会は『国民前線』が握っています。
私はこれがテロによるものだとは思いません。もちろん、それもあると思いますが、サルコジやオランドのだらしない、全く何の効果もない政治の反動として『国民前線』を支持し始めたのだと思います。馬鹿な国民たち。そして馬鹿な政治家ども。『国民前線』は批判するだけでなんのプログラムもない政党です。まあ、でも社会党やサルコジ率いる『レ・レピュブリカン』だって選挙の前にはいろいろと約束しますがちっともそれが実現しないわけですから、投票する方もヤケになるのかも... この『国民前線』がこれほど勢力を持ってしまったことで国民が目を覚ますといいのですが、問題はどの政党も良くない、良い政治家はいない、と言うことなのだと思います。(終り)
==================================
そして以下はアリアナ・ハフィントンという方のアメリカの新聞への投稿の抜粋です。
詳しい全文は末尾の参考資料にあります。
・・・現時点で共和党の大統領指名候補争いの首位に立っている候補者、トランプ氏が「イスラム教徒のアメリカ入国を完全に禁止する」よう主張しました。
アトランティック誌の記者ジェフリー・ゴールドバーグ氏は「ドナルド・トランプ氏は、今や国家安全保障への脅威だ。アメリカを悪者にし、攻撃する材料を聖戦主義者たちに与えている」とツイートしていますが、その通りです。
・・・中略・・・
喜ばしいことに、ありのままのトランプ氏の本性を伝えようとしているのは私たちだけではありません。
ワシントン・ポスト紙のダナ・ミルバンク氏は「率直に言おう。トランプ氏は偏見にまみれた人種差別主義者だ」というコラムを12月1日に掲載しています。
そしてその後もトランプ氏を非難する記事を掲載しています。
この報道姿勢は正しい姿勢です。真実を伝えたいリポーターは誰でもそういう姿勢をとる筈です。
トランプ氏が人種差別的な発言を繰り返すので、私たちは彼を人種差別主義者と呼ぶのです。性差別的な発言をするので、性差別主義者と呼ぶのです。真実を報道することに尻込みしません。そして彼のエンターテイメント性に惑わされることもありません。
もちろんトランプ氏だけが極端で無責任な発言をしているわけではないのです。
しかし彼は他のどの候補者より注目を集め「ミート・ザ・プレス」から「サタデー・ナイト・ライブ」などの人気番組まで、多くのメディアに出演しています。その点で、彼は特別な立場にいるのは事実です。
これまで彼が提供する大衆受けする話題に病み付きになり、その中身を非難しなかったメディアが、彼の不快で間違った意見を正当化してきたのです。
これまで共和党選挙戦からわかるように、トランプ氏の最悪の発言は必ず世の中に影響を与えます。主流派の人々や、過激な思想を持つ人たちへも深い影響を与えているのです。
だから私共は、トランプ氏が現在のアメリカ政治に与える破壊的な影響を報道していきます。そして他の候補者や国全体に耐える影響をも私たちは必ず伝えていくつもりです。
=============================
以上のアリアナさんの記事を見て私は安心しました。アメリカは健全だと安心したのです。
しかし最後の文章のようにトランプ氏のいろいろな発言は必ず世の中に影響を与えるのです。アメリカの政治や社会へ破壊的な悪い影響を与えているのです。世論調査の方法によって違いはありますが共和党支持者の35%あるいた68%がトランプ氏を支持しているのです。
この支持者の数は驚くべき多さです。それで私はこの記事の表題に・・・揺れ動くアメリカという表現を用いたのです。
アメリカの政治や社会の変化は必ず日本にも影響が出てきます。注意深く見守るべきではないでしょうか。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
====参考資料:Arianna Huffingtonの新聞投稿======
Arianna Huffington
アリアナ・ハフィントン(ハフィントンポスト創設者)
「ドナルド・トランプ氏の発言、もはや面白がっているだけでは済まない」
http://www.huffingtonpost.jp/arianna-huffington/we-are-no-longer-entertained_b_8754692.html
投稿日: 2015年12月09日 14時45分 JST 更新: 2015年12月09日 16時30分 JST
現時点で共和党の大統領指名候補争いの首位に立っている候補者が「イスラム教徒のアメリカ入国を完全に禁止する」よう主張した。それはもちろん、それはドナルド・トランプ氏だ。アトランティック誌の記者ジェフリー・ゴールドバーグ氏は「ドナルド・トランプ氏は、今や国家安全保障への脅威だ。アメリカを悪者にし、攻撃する材料を聖戦主義者たちに与えている」とツイートしているが、その通りだ。
トランプ氏の発言を受け、私たちハフィントンポストも彼についての報道の仕方を変えたいと思う。私たちは7月に、トランプ氏に関する記事を政治欄ではなくエンタメ欄に載せると発表した。ワシントン支局長のライアン・グリムと編集ディレクターのダニー・シーによれば、その理由は簡単だ。「トランプ氏の選挙キャンペーンは見せ物だから」
予想した通り、トランプ氏はエンタメ欄を賑わしてくれた。しかし、今回の発言で私たちははっきりと知った。彼の発言はもはや面白くない。それは不快でアメリカの政治にとって危険となる。だから私たちは、エンタメ欄で彼の政治キャンペーンを報道するのを止める。だからといって、普通の政治キャンペーンと同じ様に報道するわけではない。
私たちが彼の政治キャンペーンをエンタメ欄に掲載すると決めた理由。それは世論調査で高い支持率を保っているからと言って、トランプ氏が真剣かつ誠実にこの国を率いたいと思っていると考えなかったからだ。今でも同様に考えている。しかし多くのことが変わった。
キャンペーンを開始した当初から、トランプ氏は不快なコメントに事欠かなかった。6月の出馬表明の際には、メキシコ人を「強姦犯」と呼んで物議を醸した。しかし最初の頃、彼の激しい外国人嫌いは人を小馬鹿にするような皮肉漫画のジョークに過ぎなかった。しかし、メディアの追い風を受け、トランプ氏の残酷さと無知は倍増している。「彼の言った事、信じられる?」最初は目新しく、私たちを面白がらせたトランプ氏の発言は、今や不快極まりなく、脅威を与えるものに形を変えた。そしてアメリカ政治のよくない面をさらけ出している。
この変化を踏まえて、彼の政治キャンペーンを報道しなければいけないと私たちは強く感じている。トランプ氏がどんな人物なのか、彼のキャンペーンが何を目指しているのかを読者に伝えなければいけない。
ニューヨーク大学教授ジェイ・ローゼン氏は、トランプ氏について次のように述べている。
「2015年前までは、大統領選を報じるメディアは、報道に関するルールやそれに違反した時のペナルティについて、政界のエリートや選挙関連産業と共有してきました。このルールはこれまでほとんど破られることはありませんでした。ルール違反には大きなリスクが伴うと思われていましたし、選挙キャンペーンを取り仕切っていたのはリスクを嫌う戦略家だったからです」
つまり、とっぴで不快で危険な発言をすれば罰せられるとほとんどの政治家たちは知っていたので、それを避けてきた。ローゼン氏はさらにこう述べている。「そういった考えは今や崩壊してしまいました。トランプ氏はそういったルールをテストし、違反しました。それでいて、世論調査で首位に立っているのです」
しかしメディアである私たちは、トランプ氏や彼のやり方に続こうとする人たちを好きなようにさせてはいけない。今後彼の政治キャンペーンを報道する時、私たちは彼の発言を紹介し、出典を明らかにして彼が一体何を目指しているのか伝えていく。
例えば下記のような伝え方だ。
1) トランプ氏はアメリカ国内に住むイスラム教徒のデータベースを熱心に作ろうとしている。
2) トランプ氏はニュージャージー州のイスラム教徒が9/11を祝っているという嘘をついている。
3) オバマ大統領はアメリカで生まれていないから大統領として不適格だ、とトランプ氏は主張し続けている。
4) トランプ氏は女性を蔑視している。女性についての彼の発言をまとめたハフポストの記事がある。もちろん、他にも多くの女性蔑視発言をしている。
5) トランプ氏は外国人嫌いで移民に対する憎悪を掻き立てようとしている。彼はメキシコ系移民について嘘を発信し続けており、不法滞在の移民を国外追放しようとしている。
6) トランプ氏は弱いものいじめが大好きだ。具体例はつきない。たとえば自分の集会で抗議していた人を、支持者の一人手荒く扱った時、トランプ氏はその支持者を擁護した。また、身体に障害を持つニューヨーク・タイムズ紙の記者を馬鹿にしたこともある。
喜ばしいことに、ありのままのトランプ氏を伝えようと考えているのは私たちだけではない。ワシントン・ポスト紙のダナ・ミルバンク氏は「率直に言おう。トランプ氏は偏見にまみれた人種差別主義者だ」というコラムを12月1日に掲載している。そしてその後もトランプ氏を非難する記事を発信している。それは難しいことではない。そして真実を伝えたいリポーターは誰でもそうすべきだ。
トランプ氏が人種差別的な発言や行動をすれば、私たちは彼を人種差別主義者と呼ぶ。性差別的な発言をすれば、性差別主義者と呼ぶ。真実に尻込みすることも、彼のエンターテイメント性に惑わされることもない。
もちろんトランプ氏だけが極端で無責任な発言をしているわけではない。しかし彼は他のどの候補者より注目を集め「ミート・ザ・プレス」から「サタデー・ナイト・ライブ」まで、多くのメディアに露出している。その点で、彼は特別な立場にいる。これまで彼が提供する話題に病み付きになり、その中身を非難しなかったメディアが、彼の不快で間違った意見を正当化してきたのだ。
これまで共和党選挙戦からわかるように、トランプ氏の最悪の発言は必ず世の中に影響を与える。主流派の人々や、過激で受け入れ難い思想を持つ人たちの考え方を左右している。
だからトランプ氏が現在のアメリカ政治に与える破壊的な影響だけでなく、他の候補者や国全体に耐える影響をも私たちは伝えていく。
(この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。)
公園のクヌギが見事な黄葉になっています。木立の下には美しい落ち葉の小道が続いています。
そして堰堤の上に出ると多摩湖の湖面が太陽に輝き、その向こうに奥多摩の山並みが碧く光っています。散歩しながら写真を撮りました。下にその写真をお送りいたします。
写真のような風景の中を歩いて平和な気分になっていました。しかし歩き始めてからすぐに大きなジェット戦闘機の爆音がしました。この公園の北は航空自衛隊の入間飛行場があるのです。
前脚を下し、着陸態勢に入ったジェット戦闘機がゆっくり降下しています。ゆっくり飛んでいますが非常に大きな爆音が響いています。
それが一機や二機ではありません。5分おきくらいにひっきりなしに着陸して行くのです。不気味な暗い灰色に塗った大型輸送機や爆撃機のようなものも降りて行きます。
以前もこの堰堤を散歩している時、着陸態勢に入ったジェット戦闘機を見ましたが最近は急に数が増えたような気がします。
平和な多摩湖の風景の上空には戦争に使う飛行機がしきりに飛んでいるのです。
その影響でつい中東の激しい戦争のことを思い出します。
そして揺れ動くフランスやアメリカの社会へ想いを馳せます。
下にフランス在住の元日本人のMotoko Boutdumondeさんから頂いたコメントを、本人のご承諾を頂いたので紹介します。揺れ動くフランスの社会の様子が描いてあります。日本のマスコミからは分からない緊迫した雰囲気が書いてあります。
===Motoko Boutdumondeさんからの頂いたコメント========
今回のフランスの地方議会(州議会)選で極右翼の『国民前線』が第一党になったのは、本当に恥ずかしいことだと思います。ナチスと同じ考えを持った政党ですが、今は票集めのために過激なことは一切言わず、無知な国民を甘い言葉で誘っています。第二次世界大戦のドイツのユダヤ人収容所やガス室での大量殺人を「歴史から見ると末梢的な部分」との発言をした党の創始者であるル・ペンを父の後を継いで党首となった娘が党から追放しました。『国民前線』に人気が出てきたからこういった極右翼的な部分は隠したかったのでしょう。しかし父と娘の考えは根底では同じなのです。驚いたのは、この党のなかの立候補者に北アフリカ系の移民の子孫のイスラム教徒がいたということでした。まあ、ナチスもイスラムもユダヤを嫌っているからそういうところからこうなったのかもしれませんが、まあ、本当にため息が出ることばかりです。私の住んでいる町はこの間の市長選から市長や市議会は『国民前線』が握っています。
私はこれがテロによるものだとは思いません。もちろん、それもあると思いますが、サルコジやオランドのだらしない、全く何の効果もない政治の反動として『国民前線』を支持し始めたのだと思います。馬鹿な国民たち。そして馬鹿な政治家ども。『国民前線』は批判するだけでなんのプログラムもない政党です。まあ、でも社会党やサルコジ率いる『レ・レピュブリカン』だって選挙の前にはいろいろと約束しますがちっともそれが実現しないわけですから、投票する方もヤケになるのかも... この『国民前線』がこれほど勢力を持ってしまったことで国民が目を覚ますといいのですが、問題はどの政党も良くない、良い政治家はいない、と言うことなのだと思います。(終り)
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そして以下はアリアナ・ハフィントンという方のアメリカの新聞への投稿の抜粋です。
詳しい全文は末尾の参考資料にあります。
・・・現時点で共和党の大統領指名候補争いの首位に立っている候補者、トランプ氏が「イスラム教徒のアメリカ入国を完全に禁止する」よう主張しました。
アトランティック誌の記者ジェフリー・ゴールドバーグ氏は「ドナルド・トランプ氏は、今や国家安全保障への脅威だ。アメリカを悪者にし、攻撃する材料を聖戦主義者たちに与えている」とツイートしていますが、その通りです。
・・・中略・・・
喜ばしいことに、ありのままのトランプ氏の本性を伝えようとしているのは私たちだけではありません。
ワシントン・ポスト紙のダナ・ミルバンク氏は「率直に言おう。トランプ氏は偏見にまみれた人種差別主義者だ」というコラムを12月1日に掲載しています。
そしてその後もトランプ氏を非難する記事を掲載しています。
この報道姿勢は正しい姿勢です。真実を伝えたいリポーターは誰でもそういう姿勢をとる筈です。
トランプ氏が人種差別的な発言を繰り返すので、私たちは彼を人種差別主義者と呼ぶのです。性差別的な発言をするので、性差別主義者と呼ぶのです。真実を報道することに尻込みしません。そして彼のエンターテイメント性に惑わされることもありません。
もちろんトランプ氏だけが極端で無責任な発言をしているわけではないのです。
しかし彼は他のどの候補者より注目を集め「ミート・ザ・プレス」から「サタデー・ナイト・ライブ」などの人気番組まで、多くのメディアに出演しています。その点で、彼は特別な立場にいるのは事実です。
これまで彼が提供する大衆受けする話題に病み付きになり、その中身を非難しなかったメディアが、彼の不快で間違った意見を正当化してきたのです。
これまで共和党選挙戦からわかるように、トランプ氏の最悪の発言は必ず世の中に影響を与えます。主流派の人々や、過激な思想を持つ人たちへも深い影響を与えているのです。
だから私共は、トランプ氏が現在のアメリカ政治に与える破壊的な影響を報道していきます。そして他の候補者や国全体に耐える影響をも私たちは必ず伝えていくつもりです。
=============================
以上のアリアナさんの記事を見て私は安心しました。アメリカは健全だと安心したのです。
しかし最後の文章のようにトランプ氏のいろいろな発言は必ず世の中に影響を与えるのです。アメリカの政治や社会へ破壊的な悪い影響を与えているのです。世論調査の方法によって違いはありますが共和党支持者の35%あるいた68%がトランプ氏を支持しているのです。
この支持者の数は驚くべき多さです。それで私はこの記事の表題に・・・揺れ動くアメリカという表現を用いたのです。
アメリカの政治や社会の変化は必ず日本にも影響が出てきます。注意深く見守るべきではないでしょうか。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
====参考資料:Arianna Huffingtonの新聞投稿======
Arianna Huffington
アリアナ・ハフィントン(ハフィントンポスト創設者)
「ドナルド・トランプ氏の発言、もはや面白がっているだけでは済まない」
http://www.huffingtonpost.jp/arianna-huffington/we-are-no-longer-entertained_b_8754692.html
投稿日: 2015年12月09日 14時45分 JST 更新: 2015年12月09日 16時30分 JST
現時点で共和党の大統領指名候補争いの首位に立っている候補者が「イスラム教徒のアメリカ入国を完全に禁止する」よう主張した。それはもちろん、それはドナルド・トランプ氏だ。アトランティック誌の記者ジェフリー・ゴールドバーグ氏は「ドナルド・トランプ氏は、今や国家安全保障への脅威だ。アメリカを悪者にし、攻撃する材料を聖戦主義者たちに与えている」とツイートしているが、その通りだ。
トランプ氏の発言を受け、私たちハフィントンポストも彼についての報道の仕方を変えたいと思う。私たちは7月に、トランプ氏に関する記事を政治欄ではなくエンタメ欄に載せると発表した。ワシントン支局長のライアン・グリムと編集ディレクターのダニー・シーによれば、その理由は簡単だ。「トランプ氏の選挙キャンペーンは見せ物だから」
予想した通り、トランプ氏はエンタメ欄を賑わしてくれた。しかし、今回の発言で私たちははっきりと知った。彼の発言はもはや面白くない。それは不快でアメリカの政治にとって危険となる。だから私たちは、エンタメ欄で彼の政治キャンペーンを報道するのを止める。だからといって、普通の政治キャンペーンと同じ様に報道するわけではない。
私たちが彼の政治キャンペーンをエンタメ欄に掲載すると決めた理由。それは世論調査で高い支持率を保っているからと言って、トランプ氏が真剣かつ誠実にこの国を率いたいと思っていると考えなかったからだ。今でも同様に考えている。しかし多くのことが変わった。
キャンペーンを開始した当初から、トランプ氏は不快なコメントに事欠かなかった。6月の出馬表明の際には、メキシコ人を「強姦犯」と呼んで物議を醸した。しかし最初の頃、彼の激しい外国人嫌いは人を小馬鹿にするような皮肉漫画のジョークに過ぎなかった。しかし、メディアの追い風を受け、トランプ氏の残酷さと無知は倍増している。「彼の言った事、信じられる?」最初は目新しく、私たちを面白がらせたトランプ氏の発言は、今や不快極まりなく、脅威を与えるものに形を変えた。そしてアメリカ政治のよくない面をさらけ出している。
この変化を踏まえて、彼の政治キャンペーンを報道しなければいけないと私たちは強く感じている。トランプ氏がどんな人物なのか、彼のキャンペーンが何を目指しているのかを読者に伝えなければいけない。
ニューヨーク大学教授ジェイ・ローゼン氏は、トランプ氏について次のように述べている。
「2015年前までは、大統領選を報じるメディアは、報道に関するルールやそれに違反した時のペナルティについて、政界のエリートや選挙関連産業と共有してきました。このルールはこれまでほとんど破られることはありませんでした。ルール違反には大きなリスクが伴うと思われていましたし、選挙キャンペーンを取り仕切っていたのはリスクを嫌う戦略家だったからです」
つまり、とっぴで不快で危険な発言をすれば罰せられるとほとんどの政治家たちは知っていたので、それを避けてきた。ローゼン氏はさらにこう述べている。「そういった考えは今や崩壊してしまいました。トランプ氏はそういったルールをテストし、違反しました。それでいて、世論調査で首位に立っているのです」
しかしメディアである私たちは、トランプ氏や彼のやり方に続こうとする人たちを好きなようにさせてはいけない。今後彼の政治キャンペーンを報道する時、私たちは彼の発言を紹介し、出典を明らかにして彼が一体何を目指しているのか伝えていく。
例えば下記のような伝え方だ。
1) トランプ氏はアメリカ国内に住むイスラム教徒のデータベースを熱心に作ろうとしている。
2) トランプ氏はニュージャージー州のイスラム教徒が9/11を祝っているという嘘をついている。
3) オバマ大統領はアメリカで生まれていないから大統領として不適格だ、とトランプ氏は主張し続けている。
4) トランプ氏は女性を蔑視している。女性についての彼の発言をまとめたハフポストの記事がある。もちろん、他にも多くの女性蔑視発言をしている。
5) トランプ氏は外国人嫌いで移民に対する憎悪を掻き立てようとしている。彼はメキシコ系移民について嘘を発信し続けており、不法滞在の移民を国外追放しようとしている。
6) トランプ氏は弱いものいじめが大好きだ。具体例はつきない。たとえば自分の集会で抗議していた人を、支持者の一人手荒く扱った時、トランプ氏はその支持者を擁護した。また、身体に障害を持つニューヨーク・タイムズ紙の記者を馬鹿にしたこともある。
喜ばしいことに、ありのままのトランプ氏を伝えようと考えているのは私たちだけではない。ワシントン・ポスト紙のダナ・ミルバンク氏は「率直に言おう。トランプ氏は偏見にまみれた人種差別主義者だ」というコラムを12月1日に掲載している。そしてその後もトランプ氏を非難する記事を発信している。それは難しいことではない。そして真実を伝えたいリポーターは誰でもそうすべきだ。
トランプ氏が人種差別的な発言や行動をすれば、私たちは彼を人種差別主義者と呼ぶ。性差別的な発言をすれば、性差別主義者と呼ぶ。真実に尻込みすることも、彼のエンターテイメント性に惑わされることもない。
もちろんトランプ氏だけが極端で無責任な発言をしているわけではない。しかし彼は他のどの候補者より注目を集め「ミート・ザ・プレス」から「サタデー・ナイト・ライブ」まで、多くのメディアに露出している。その点で、彼は特別な立場にいる。これまで彼が提供する話題に病み付きになり、その中身を非難しなかったメディアが、彼の不快で間違った意見を正当化してきたのだ。
これまで共和党選挙戦からわかるように、トランプ氏の最悪の発言は必ず世の中に影響を与える。主流派の人々や、過激で受け入れ難い思想を持つ人たちの考え方を左右している。
だからトランプ氏が現在のアメリカ政治に与える破壊的な影響だけでなく、他の候補者や国全体に耐える影響をも私たちは伝えていく。
(この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。)