後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

私の考えは甘かった、アメリカの人種差別

2015年12月17日 | 日記・エッセイ・コラム
アメリカは日本を占領し、飢えに苦しむ日本へ食糧援助をして助けてくれました。
その上、戦争放棄を高らかにうたった新憲法を作ってくれて日本人に非常に喜ばれました。毎日、空襲され恐怖におののいていた国民は戦争が無くなることを大歓迎したのです。
そして海外の戦場から命からがらで帰って来た兵隊さんたちは「もう二度と戦争は嫌だ!」と骨身に沁みていました。満州からの引揚者も戦争はコリゴリしていました。
当時の日本人はみな戦争放棄憲法に胸をなで下ろし新憲法の発布で歓喜したのです。
NHKのアナウンサーは盛んに戦争に関する街頭録音をして、最後は「戦争はいやですね」という決まり文句で締めくくっていたものです。
その時代は国民全体が戦争の悲惨さの体験が骨身に沁みていた時代でした。
そのような時代の雰囲気を現在の日本人は忘れつつあります。それも時代の流れです。
ところで私事で恐縮ですが、私はアメリカに留学し、アメリカで日本人の婚約者を迎え結婚しました。アメリカ人の先生や同級生に親身のお世話になったのです。
ですからアメリカ人は私の恩人です。どんなことでもアメリカの肩を持つようになったのです。
キング牧師の公民権運動でアメリカの黒人差別が無くなりました。
私は黒人差別が無くなり、その上黒人のオバマさんが大統領になった時は大変嬉しかったものです。
しかし私の考えは甘かったのです。
来年の大統領選挙の共和党指名をかけた選挙運動で人種差別主義者のトランプ氏が有力になっているのです。
イスラム教徒入国拒否とメキシコ人差別を主張しているトランプ氏の支持率が一位なのです。ワシントン・ポストとABCテレビの12月15日の共同世論調査ではトランプ氏の支持率が38%で断然トップなのです。続くクルーズ氏が15%、ルビオ氏が12%、ブッシュ氏が5%という結果だったのです。
トランプ氏がイスラム教徒入国拒否とメキシコ人差別を公言した時は冗談ではないかと思いました。
何でもアメリカ贔屓(びいき)の私はアメリカ人の良識を信じています。いずれトランプ氏は大統領選挙の「あだ花」として消え去ると思っていました。
しかし依然として共和党候補の一位の座を守って独走しているのです。
アメリカでの人種差別の実態を見るようで失望を禁じえません。
アメリカでは黒人と白人の結婚が増大しています。やれやれこれで黒人差別は亡くなると安堵していました。しかしもっと深く考えてみると家庭内でも差別が消えないのかも知れないのです。
人種差別に対する人間の本性は何時になっても牢固として消えないものでしょうか?
トランプ氏の発言は日本人の心の中にある人種差別の考え方を勇気づけることでしょう。
人間の文化は人間の悪い本音を抑えて善い考えを前面に出すようにしたいと思います。この考えも甘すぎるでしょうか?皆様のご意見をお聞かせ下さい。

今日の挿絵代わりの写真は昨日撮ってきた奥多摩周遊道路と甲州に抜ける柳沢峠の風景写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)