後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「今日は、山に咲く桜の写真を撮りに行きました」

2016年04月02日 | 写真
今日は小雨模様の暗い一日でした。こんな日は山に咲く桜の風情も良いと思い裏高尾の旧甲州街道を小仏峠への入り口まで行きました。
旧街道をゆっくり車で登りながら山に咲いている桜の花の写真を撮って来ました。山の雑木林に咲いている大部分の桜はソメイヨシノです。
それでも今日は一本だけ葉の出ている山桜を見つけました。電車の写っている写真は旧甲州街道沿いに走っているJR中央線の貨物列車です。
如何でしょうか。雨もよいの山に咲く桜には何とも言えない風情があるのではないでしょうか。









日本社会の格差が年々増加している❕ その原因

2016年04月02日 | 日記・エッセイ・コラム
先日は、「日本社会の格差が年々増加している」という記事を掲載し、日本の貧富の差が次第に拡大していることを示しました。今日の記事はその続編です。何故日本の人々の収入格差が年々増加しているか?その原因を考えてみたいと思います。
日本の貧困率は先進国の中ではアメリカについで2位です。日本より貧困率の低い国はオーストラリア、イギリス、カナダ、ドイツ、フランスなどなどです。
そして収入の格差を示すジニ係数を見ても日本はアメリカ、イタリア、イギリスなどについで10位です。格差の少ない国はフランス、ドイツ、スイス、オーストラリアなどがあります。
統計の取り方には多少の疑問がありますが、大筋では間違っていないと思います。
この統計結果は国際的に信用されているOECDによって2005年2月に発表されました、
それ以来、この統計結果は世界中で引用され、経済に関心のある人々の常識になっています。
さて、それでは何故、日本の収入格差は年々、大きくなってきたのでしょう?
この原因の一番大きなものは1990年頃のバブル経済の崩壊以後、会社の給与体系が年功序列体制から業績結果や能力差によるアメリカ型の給与体制に変わって来たためです。
バブル経済の崩壊で大会社は年功序列型の給与体制を維持出来なくなったのです。会社の利潤の増加に大きな功績のあった役員や社員の給与を大幅に昇給し、貢献しなかた者の給与は減少させる、いわゆる能率給の体制を次第に作っていったのです。
この結果、会社全体の人件費を下げても、社員の競争心のおかげで利潤の増加が期待出来るのです。
これこそアメリカ流の給与に対する原理的な考え方なのです。
バブル経済の崩壊で起きたもう一つの大変化は親会社と子会社の関係が崩壊し、親会社から見放された子会社が経営難になり社員の給与を下げざるを得なかったのです。当然、大会社と中小企業の間の給与の差が拡大します。
簡単に言えば、少数の社員の給与が大きく増額される反面、大多数の社員の給与は大幅に下がったのです。ですから貧富の差が拡大するのは当然です。
貧富の差が拡大しましたが日本のGDPは減少しません。それは多分、少数の優秀な社員の貢献だったのでしょう。このアメリカ型給与体系は日本のいろいろな分野に「成功報酬的な考え方」として深い影響を与えているのです。
さて近年、相変わらず収入格差が増加しているのは、上に書いた業績結果や能力差による給与体系への変化に加えて、非正規社員の増加と高齢者の増加が原因として重複的に加わって来たためと考えられます。
それでは非正規社員の増加を示す図を見てみましょう。図面の出典は、総務省統計局HP;http://www.stat.go.jp/info/today/097.htm です。

もう少し詳しく見ると、正社員の比率が大きい製造業は生産拠点の海外移転などで雇用が減り、パートの多い小売やサービス業で働く人の割合が高まっているのです。
なかでもパートやアルバイトとして働く人が多い女性は、2012年に非正規の比率が57.5%と、半数を大きく上回っているのです。
さらに 正社員だった人が転職の時に非正規になる流れも強まっています。
ある調査では過去5年の間に転職した人を見ると、転職前に正社員だった人のうち40.3%が非正規になったという話もあります。詳しくは、「非正規社員の増大の傾向」:http://www.garbagenews.net/archives/2039205.html をご覧ください。
ついでに学歴による正規雇用率の違いの図面を示しておきます。
出典は、http://www.garbagenews.net/archives/1954673.html です。

この図面を見ると世間一般のイメージ通り、高学歴ほど正規雇用率は高いのです。男性では大学・大学院卒で9割に近づいているのが明快に分かります。
さて最後に日本社会の高齢者増加による収入格差の拡大です。しかしそれは高齢者の受け取る国民年金や厚生年金が現役の正社員の給料より格段に少ないことがら簡単に理解出来ます。特に説明の必要が無いと思います。

さて上に書いた格差拡大の原因は日本がアメリカ型の資本主義を見習い、それを導入している限り無くならない原因です。ですから日本の個人の収入の格差は今後も次第に増加する筈です。
この結果は日本の社会は大きく変える筈です。その利害得失や功罪については機会をあらためて描いてみたいと思います。
今日の挿絵代わりの写真は春らしく萌え出る多摩川の岸辺と三鷹市の花と緑の広場で撮った写真です。

それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)