後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

彫刻は分かり難い!芸術は難しい

2016年04月22日 | 日記・エッセイ・コラム
西洋の油絵でもクラシック音楽でも東洋人の私にもよく分かるつもりです。感動して涙さえ流すことがしばしばです。
西洋という異文化圏にうまれ育った芸術は東洋人の私に理解され、感動で胸が熱くなることを不思議に思っています。不思議でも心地良いものは良いので何度も、何度も油絵を見たり西洋音楽を聴きます。するとますます感動が深まります。
しかし西洋の近代彫刻だけは何度見ても感動しません。涙も流れません。私は彫刻音痴なのです。
しかし家内は彫刻音痴でななく大好きなようです。箱根に行くと必ず「彫刻の森」という近代彫刻の野外展示場を訪問します。今回も一番初めにここを訪れました。
それでは写真でこの「彫刻の森」をご紹介致します。

この写真は「彫刻の森」に入場してすぐにある芝生の広場です。西洋の有名な近代彫刻家の作品が点々と展示されています。このような展示場が山の斜面を上手に利用して、他にも数ケ所あります。そしてピカソの作品だけを展示した「ピカソ館」やステンドグラスの塔や特別展示をしている本館ギャラリーもあります。その全体をご紹介するわけにいきませんので、下に私が気に入った6点の近代彫刻の写真を示します。

上はイギリス人のヘンリ-・ムーア(1898年ー1986年)の1970年作の「横たえる像:アーチ状の足」というブロンズ彫刻です。

上はフランス人のエミール・アントワーヌ・ブルーデル(1861年ー1929年)の1918年から1922年作の巨大なブロンズ彫刻です。右から「雄弁ー大」、「自由ー大」、「勝利ー大」、「力ー大」という題の彫刻です。

上は同じくフランス人のエミール・アントワーヌ・ブールデル(1861年ー1929年)の1909年作の「弓をひくヘラクレス」と題するブロンズ彫刻です。

上はスウェーデン人のカール・ミレス(1875年ー1955年)の1949年作の「人とペガサス」という題のブロンズ彫刻です。

上はイタリア人のジュリアーニ・ヴァンジ(1931年生まれ)の2004年作の「偉大な物語」という彫刻です。

上はフランス人のオーギュスト・ロダン(1840年ー1917年)の1898年作の文豪バルザックのブロンズ彫刻です。

彫刻の森に展示されている作品は膨大です。その作品一点、一点の詳しい紹介は、http://www.hakone-oam.or.jp/permanent/?id=4 に掲載されています。
例えばヘンリ-・ムーアについて以下のように書いてあります;ムーアは彫刻を野外に展示することを好みました。
「彫刻の置かれる背景として空以上にふさわしいものはない」と語っています。
彫刻の森美術館の緑陰広場の庭園には、ムーアの彫刻作品11体のコレクションがゆっくりと時間を刻んでいます。
四季を通じて、彫刻の堅固な形態とその空間が作り出すコントラストはとても魅力的です。
そして1970年作の「横たえる像:アーチ状の足」については以下のような解説があります。

・・・人体の基本となるポーズが3つある。まず立っているもの、次に坐っているもの、そして横たわっているものである。3つのポーズのうちで、横たわる人体像は、最も自由がきき、構成しやすく、また空間性を持っている。坐っている人体像には腰掛けるためのものが何か必要になる。彫刻を台座から解放してやることができない。横たわる人体像はどんな床面にも横たえることが可能だ。自由がきくと同時に安定性もある。・・・

さてこの解説をお読みになってヘンリー・ムーアの作品が理解出来たでしょうか?
私には分かりません。ただ2つのことは言えます。
大型の彫刻作品は、風景の良い屋外に展示したほうが良く見えると私も思います。そして「横たえる像:アーチ状の足」というブロンズ像の前にしばらく立っていると何とも自然なやすらぎを感じます。しかし作者の意図は分かりせん。そこで動き出して次の作品へと歩きます。
そしてバルザックの像については次のような説明があります。
「バルザック」1891-98年;ブロンズ、270×120×127cm
ロダンは文芸家協会から、小説家オノレ・ド・バルザック(1799-1850)の記念像の制作を依頼され、肖像写真をもとにして制作した。
1898年のサロンにガウンをまとった石膏像を発表したが、これが雪だるま、溶岩、異教神などと言われ、「フランスが誇る偉大な作家を侮辱した」と、協会から作品の引き取りを拒否された。
ロダンは石膏像を引き取り、終生外に出さなかった。彼の死後、1939年になってパリ市内に設置、除幕された。
ガウンによって写実的なディテールが覆われ、大胆に要約された形態は、ロダンの作品の中でも最も現代に通じるものである。
このような解説を読んで初めてこの彫刻の意味が分かるのです。
私には分かりませんでした。しかしこの像の前に立つと人間の苦悩の深さと、それを克服しようとする人間の勇気を感じます。しかし胸が熱くなるほどの感動は覚えません。私は彫刻音痴なのです。
一方、家内は谷の下の方にあるピカソ館までつぶさに見てきてご機嫌です。西洋の近代彫刻だけでなく日本の彫刻家のことも詳しく知っているのですからかないません。私は高村光太郎の十和田湖畔の「おとめの像」と舟越保武の田沢湖畔の「たつこ姫」の像しか知りません。
それはさておき箱根の「彫刻の森」は間違いなく素晴らし散歩道です。素晴らしい散歩道と言えば、「美ケ原高原美術館」(http://www.utsukushi-oam.jp/ )も同じような所です。
そのような訳ですので読者の皆様に「彫刻芸術の観賞の仕方」をお教え頂きたいと思います。どうぞふるってご投稿ください。感謝いたします。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

「薬草植物園にも春が来ました」

2016年04月22日 | 写真
冬の間は何も無かった薬草植物園にも春が来て、いろいろな花々が咲き出しました。午後にぶらりと行って写真を撮って来ました。お楽しみ頂けたら嬉しく存じます。場所は東京都立薬草植物園を検索すると出ています。

花の名前は1番目から7番目まで以下の通りです。
1、フジの花
2、ボタン
3、ニオイイリス、洗剤や歯磨き粉の香料に使います。
4、イチハツ、吐剤や下剤になります。
5、ホソバタイセイ、古くから染料として使用されてきました。
6、ホタルカズラ、
7、ドイツスズラン、食べると猛毒です。