後藤和弘のブログ

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オバマ大統領の広島訪問に対する3つの異なる考え方

2016年04月29日 | 日記・エッセイ・コラム
最近、日米の政府間でオバマ大統領の広島訪問のための調整をしているようです。
もしオバマ大統領が広島へ行ければ、原爆投下後70年にして初めてアメリカの現役大統領が犠牲者の慰霊碑に献花することになります。
一般市民が犠牲者になり、その人数は広島で20万人、長崎で14万人と言われています。
もう少し詳しく書くと、広島の当時の人口42万人で原爆投下直後の死者、行方不明合わせて 12万2338人でした。一方、長崎は当時の人口24万人のうち 死者、行方不明合わせて7万3884人が犠牲になったのです。当時の人口の実に4分の1程の市民が一瞬にして亡くなってしまったのです。そして被爆後5年間の間に広島で合計20万人、長崎で合計14万人が亡くなったのです。
それから茫々70年、はじめてアメリカの現役の大統領が犠牲者の慰霊碑に献花に行くのです。
もっとも元大統領のカーター氏は献花しています。
オバマ大統領の広島訪問は日米の関係の歴史において重要な意義があると考えられます。
しかしそれに対していろいろな考え方があると思います。全ての考え方を羅列出来ませんが、以下のように3つの考え方に纏めることが出来るのではないでしょうか。
(1)たとえ戦争とはいえ、残忍極まりない原爆を一般市民の頭上に落としたアメリカの大統領はもっと早く広島を訪問し謝罪すべきだった。アメリカ軍の人道上の罪はこれで帳消しにはならないが犠牲者の霊も少しは癒されると考えられる。
(2)確かにアメリカの原爆投下は非難すべきだが、戦後アメリカは日本の復興を助け日米安保条約で日本の安全を守ってくれたのだからアメリカへ謝罪しろと大声で要求すべきではない。
日本は戦争に負けたのだから武士道の精神にしたがって潔い態度をとるべきである。敗者が勝った者にあれこれ注文をつけるのは潔くない。大統領が広島を訪問するか、しないかは黙って眺めているのが正解である。沈黙を守れば良い。
(3)以下は一部のアメリカ人の考え方です。真珠湾攻撃は宣戦布告の有る無しにかかわらず卑怯な奇襲攻撃だった。その仕返しが原爆投下なのです。
その上、原爆投下によって日本の降伏を早くさせてアメリカ兵の犠牲者数と、本州上陸作戦による市民と兵員の損耗数を少なくしたのだから良い戦略だったのです。
それに、もし仮に日本がアメリカより先に原爆を開発していたら日本軍は躊躇なくアメリカ軍へ原爆を落とし戦況の好転をはかったに違いありません。
したがってアメリカは絶対に謝罪すべきではありません。謝罪したと誤解される広島訪問は中止すべきです。
さて皆様は以上の考え方をどのように感じられますでしょうか。
私自身はおもに(1)に賛成ですが、(2)も時々、良いとも思っています。
勿論、上に書いた考え方とは違うご意見も多いと存じます。皆様のご意見を頂けたら嬉しく思います。
尚、この際書きたいことがあります。原爆の慰霊碑に、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と彫ってあるそうです。私はこのような意味不明の日本語が大嫌いです。過ちは繰返しませぬからという表現は背筋がかゆくなる偽善的な表現で嫌いです。
私は「安らかに眠って下さい、ご冥福をお祈りいたします」と書き直した方が良いと思っています。

それはそれとして、今日は広島と長崎の原爆投下による犠牲者のご冥福を深くお祈りいたします。藤山杜人(後藤和弘)
今日の挿し絵代わりの写真は庭の花々です。順にジャーマンアイリス、ウノハナ、八重のユキヤナギ、シバザクラとスミレ、シャガの5枚の写真です。