南ドイツのローテンブルグはドイツの中世のまま16世紀の町並が現在でも残っています。
この小さな中世の町に1969年の夏から3ケ月住みこんでドイツ語を習いました。秋と冬にかけてでしたので特に紅葉の風景が印象深かったのです。
毎日のように街の内外を散策し、夜になるとワインを飲む酒場に入り地酒のワインを飲む生活をしました。酔って、迷路のような路地裏を歩いていると自分が中世の人間になってこの町に暮らしているような気分になります。
その上、中世のままの建物群と道路がそのまま保存してあるので当時の人々の暮らしぶりがおのずと分かったのです。そんなローテンブルグの紅葉の写真を示します。
紅葉の写真の出典は、https://4travel.jp/travelogue/11236381 です。



ローテンブルグで考えたドイツ人の性格や文化についてもう少し書きたいと思います。
南ドイツの中世の町の多くは堅固な城壁に囲まれています。城壁の中には商人だけでなく農民も住んでいます。朝になると城門が開き、農民は周囲の畑に出て農作業をします。夕方になると城壁の内側に帰って来ます。城門が固く締められ夜になるのです。ですから昔のドイツ人は排他的になり、よそ者を警戒します。その伝統は現在でも特に南ドイツでは続いています。
中世のドイツでの町では中心に必ず広場があり市役所があります。市役所には市長を兼ねた領主がいて町を統治しています。広場には毎朝、野菜や食料品を売る市場になります。
この世を統治するのが領主で、その一方、人々の宗教の面倒をみる教会が必ずあります。プロテスタントのエバンジュレッシュ教会とカトリック教会が必ずあるのがドイツの町の特徴です。
この中世の町に住みこんでみるとドイツ人の性格や文化文化がしみじみと深くわかるのです。
ワイン酒場でドイツ人は暗い表情で黙ってワインを飲んでいます。独りで飲んでいます。そしてよそ者の私を疑わしそうにチラチラ見ます。南のドイツ人は一般に社交的でないのです。陰気な人もいます。
暗い雰囲気のワイン酒場で一か所だけ騒がしいテーブルがあります。酒場の奥にある大きなテーブルです。常連の中年の男達が大声で議論しています。議論していますが絶対に笑いません。南ドイツではどんな酒場に入っても奥に常連の男達が議論しているテーブルがあったのです。
私はドイツに住む前にアメリカにも住んだ経験があります。比較するとアメリカ人とドイツ人は対照的です。アメリカ人は陽気で社交的です。ドイツ人は暗く非社交的です。
ドイツ文化は良く言えば暗く重厚な文化です。ベートーヴェンの交響曲のように重厚なのです。ゲーテのように深い思索が根底にあります。
南ドイツの小さな中世の町に3ケ月住みこんだ後で大きな都会のシュトッツガルト市にも1年余住みましたが上に書いたドイツ文化の特徴は同じでした。
こんなドイツと日本は三国同盟を結び第二次世界大戦を戦ったのです。不思議です。ヒットラーは南ドイツの出身です。日本のことをよく理解してなかったと私は思います。
今日はドイツ中世の町、ローテンブルグの紅葉の写真を示し、ドイツの文化の特徴を書きました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)