一昨日、「中國の驚異的経済急成長に巻き込まれる日本」という記事を掲載しました。そして中国の経済成長の様子を図面を用いて分かりやすく説明しました。
しかし中国は共産党独裁国家です。この理由で日本人の多くは中国では人々が抑圧されて息苦しい生活を送っていると思っています。これはとんでもない誤解です。彼等は日本と全く同じような自由な生活をしているのです。但し共産党批判だけはご法度です。
今日は共産党独裁のもとで人々はどんな生活をしているかをご説明いたします。
独裁国家の中国は、我々日本にとって恐ろしい国のような感じがします。
中国の共産政権内の権力闘争や中国海軍の増強と尖閣諸島の領海侵犯などのニュースを見ると非常に殺伐とした社会のように思えます。
しかし中国国内に住んで、日本の工場で働いている人の話を聞くと、中国の社会は日本と同じように自由な生活をしているそうです。
まず中国の風景写真をご覧下さい。
1番目の写真は繫栄している北京の風景写真です。
2番目の写真は上海の路地裏です。人々は自由に生きています。
3番目の写真は道教寺院です。多くの人が参拝に来ています。
4番目の写真は北京のお寺の灌仏会です。釈迦の誕生を祝う行事です。灌仏会は日本のお寺でも行います。
5番目の写真はキリスト教の教会です。中國には2305万人のキリスト教信徒がいます。その他、1800万人のイスラム教徒もいます。
さて最近、中国は宗教ブームでいろいろな宗教が活性化しています。
その理由は中国共産党が「共産党へ楯突かない限り」、宗教の自由を大幅に認めているからです。
この宗教の流行は今後も続き、中国では宗教はますます盛んになると思われます。
そこで中国独特の道教をもう少し詳しく見てみましょう。
道教寺院は日本の神社のように大小さまざま何処にでもあります。
道教には理路整然とした明快な教義も理屈もありません。賽銭を上げて拝めば、家内安全、無病息災、商売繁盛、になるのです。入試も合格しますし、結婚も出来ます。よろずの願い事をかなえてくれるのです。
祀られている神様は関羽のような英雄であったり、地方の偉人であったり、千差万別です。立派な人が死ぬと、人々が守り神として祀るのです。
この様な信仰は日本の神道と非常に似ています。
日本人の多くは仏教と神道の両方を信じています。
同じ様に中国人は仏教徒もキリスト教徒も無宗教の人々も道教寺院にお賽銭を上げて家族の幸福を祈るのです。
道教の寺院(宮観)は漢民族が住んで居る場所なら世界中にあります。
道教寺院は漢民族の守り神なのです。民族の宗教なのです。
日本の新聞にこのような穏やかな中国人の暮らしぶりの写真は出ません。中国の人々の生活の実態を報道しないのです。
中国人は静かに家族の平安を祈っているのです。われわれと変わらないのです。新聞の報道は何故か片寄っています。
どんな民族でもお互いに仲良くなるためには、それぞれの平凡な毎日の風景を見れば良いのです。私はいつもそのように信じて来ました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)
======参考資料:「中国の宗教事情」===========
まだまだ動いている、中国の宗教の現状(2011-07-06)
中国には、宗教人口の正確な統計が取られていないが、「百度百科(2011.7現在)」に、おおよその数字が記されていた。
それによると、
仏教は、現在1.3万カ所の寺院があり、僧侶は約20万人、そのうちチベット語族の「ラマ教」の僧は約12万人、活仏は1700数人、寺院は3000余寺。「小乗仏教系」の僧侶は1万人、寺院は1600寺である。
「道教」は、道教の宮観(寺院)が1500カ所、道師は2.5万数人である。
「イスラム教」はウイグル族など10の少数民族が信仰している。これらの少数民族の総人口は約1800万人、モスクは3万カ所あって、イマム(僧侶)は4万人。
「ローマン・カトリック教」は、信者の数は約400万人で、神父、教職人員は約4000人、教会堂、会所は4600か所。
「プロテスタント」は約1000万人いて、牧師が1.8万人。教会堂が1.2万か所、簡易集会所は2.5万か所となっている。
1966年~1976年の“文化大革命”で、宗教を含む各方面に壊滅的な破壊をもたらした。現在は、中華人民共和国憲法第36条で、宗教の信仰の自由が定められている。
・キリスト教徒の7割が女性
2009年に中国社会科学院世界宗教研究所が、31省でキリスト教信者の調査をまとめた「中国宗教報告」(2010)によると、中国のキリスト教徒は2305万人で、およそ全国の人口の1. 8%を占めるという。
(これは”百度百科”のカトリックとプロテスタントの合計数の1400万人よりも905万人上回るので、数字が著しく更新されたことになる)
キリスト教徒のうち、洗礼を受けた者は1556 万人で67.5%占めた。中国の女性のキリスト教徒は男性より多く、その割合は7人対 3人といわれる。
・1993年以降に入信した者が73.4%
中国のキリスト教徒の文化水準は、半数以上が小学校および以下にあった。入信の理由として、7割近くが「自分や家族の病気など」をあげ、「家がキリスト教徒であったため」というケースは15%であった。
ただしここ数年来、キリスト教徒の数が大部分の地区で上昇しており、1993年以降に入信した者が73.4%に達しているという。資料 金沢編「中国宗教報告」社会科学文献出版社(2010.8)