ニレの木にはヨーロッパ文化の香りがします。私の思い込みかも知れません。
その理由はヨーロッパではニレ(楡)とブドウ(葡萄)は良縁の象徴とされているそうです。この風習は元々はイタリア由来で、以下のような話があります。
古代ローマ時代からイタリアではブドウを仕立てる支柱としてニレを使うために、ブドウ畑でニレも一緒に栽培していました。ニレは横方向に仕立ててぶどうの蔓を絡ませたのです。古代ローマの詩人オウィディウス(Ovidius、紀元前43-紀元前26年)はこれを見ていたく感動し、ulmus amat vitem, vitis non deserit ulmum(意訳:楡はブドウを愛している。ブドウも傷ついた楡を見捨てない)という詩を読んだそうです。
この話はヨーロッパでは有名です。ルネサンス時代には絵画の題材としてもよく描かれました。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%AC )
写真の油彩画はその一例です。
この絵はニレの木の下の2人の女を情感豊かに描いた美しい油彩画です。
それはそれとしてニレの木にはヨーロッパ文化の香りがします。