あっと言う間に9月の声を迎えてしまった。暑い暑いと思っても、日も短くひぐらしが鳴きだし、しっかりと確実に秋に向かっている。
秋と言えば何と言っても味覚の秋、その代表選手が梨である。たっぷり水分を含み、真夏の日差しを受け甘味一杯の食感は無くてはならない果物の一つである。
品種改良が加えられ、"幸水"などより甘さの追求は更に磨きがかかっている。
その梨畑が浅川、多摩川周辺の河川敷に多数栽培しており、日野を代表する生産物の一つである。
この時期になると土地に根を下ろす、農家の庭先で産地直売と旗を掲げ、取り立ての梨が多数並べられている。
所が今年はその旗も掲げられず、例年にない不作のようである。
当サイトでも書いたが、4月の"ヒョウ"が果実にダメージを与え、それに加えて7月迄、目一杯続いた長梅雨の天候不順と梨の天敵となる"かめむし"の発生など悪条件が色々重なったようである。
その"かめむし"は果実が未だ小さい状態に張りつき、そのまま果実が大きくなった時に表皮近くを吸って、ブツブツの傷物になってしまうのである。
先日、その農家に配送を頼みに行ったが、何と断られてしまった。
周辺の農家は何処も同じで、梨の栽培を初めて、数十年かってない不作に嘆いていた。
毎年、予約のお客さんに優先しているが、例年の何分の一の取れ高ではとても予約分も確保出来ず、軒先に置かれたのは傷物だけであった。
その予約のお客に梨の絶対量が確保出来ず、代わりに被害の少ないブドウの代替えで、お客との繋ぎを何とかしているようである。
冬の時期から丹精込めて、積み上げ、1年を通じての一番の大事な収穫時期に、予測出来ない天候、害虫の災禍、一見してたわわに実る収穫にも、実はこうした不特定の天地異変に素人では見えない戦いであることを改めて見せつけられた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます