温かさに吊られ、三浦半島の先端、鴨居から観音崎、山越えして走水まで、色々な顔を持つ半島の魅力に取りつかれ、また来てしまった。
鴨居海岸から、たたら浜へ、潮が引き、大小の岩が顔を出し、その岩間におばさんが、ゆっくり取りつく姿が、目に入る。(写真中央部)
観音崎近くの、遠浅の磯の鴨居や走水ではワカメ養殖が盛んであり、丁度、大潮の干潮時期を岩脇の周辺の波に揺れるワカメを取っているんであろう。
僅かな水面に遠目越しに、砂底がくっきり見えるぐらいに、此処では透明で実に綺麗である。
我が家を出た時は少々寒く、ジャンパーを羽織ったが、小春日和のここではもう暑かった。潮騒と潮の匂いが、海岸の風景とも併せ心地よい。
半島の突端だけに対岸の房総半島がボンヤリであるが、確かめることができる。その間をゆっくりとマンモスタンカーが移動する。丸で動いているのか、判らない位の速度であるが、その間を高速の貨物船が瞬く間に追い越して行く。大小織りまぜ、実にアグレッシブに動いているのが、産業の輸送を担い、逞しく見えてくる。
このパノラマを俯瞰しながら、観音崎公園のMATERIAで地魚ランチとビールを飲みながらの贅沢を味わった。気ぜわしく追われる毎日にこの、のんびりした世界が何とも言えない位に安らぎを感じさせられる。適当な暖房とアルコールの酔いに、緊張がほぐれ、此処からの離脱に勇気がいる。
海岸線から観音崎公園の山頂部をひたすら歩き、国道16号の走水に降りる。
市内唯一の水源地で豊富な湧水はミネラル含んだ貴重な水脈をほこっている。
大泉寺の一角に水琴窟が目に止まり、案内板に従って、耳を当てる。落ちるしずくの音が反響して、高い金属音の、深い音の世界に運んでくれる。しずくの風情を既に江戸時代から楽しんでいたようであったが、同じ音を通じて、旅人気分でタイムカプセル出来る。
色々な顔を持つ半島、でもごく一部しか見ていないような感じがする。また来て見たい場所である。
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