575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

カタカナハ チカラモチ   鳥野

2007年08月28日 | Weblog
歯をあつる林檎パリッと秋の富士  富安風生

この句に出会った時、たった3文字の片仮名の迫力に、目を見張りました。

仮名文字は平安時代の初期、漢文を訓読みにするために使われていた万葉仮名を、簡略化したもの。
漢字全体を草書体にしたのが平仮名。一部分を略体にしたのが片仮名。
漢文に注記をつけて学ぶための、並々ならぬ努力が偲ばれます。

とはいうものの、字面からみて、俳句と片仮名は折り合いが悪いものと、思っていました。

ところがどうして、片仮名でこその秀句もたくさん。

地名や人名のの表記は別として、片仮名入りはそれぞれに印象的です。

  赤い羽根させるお洒落のルンペン氏  阿波野青畝

  カーフェリー朱鷺の孵りし島指呼に  塩田藪柑子

  分校のラッパは秋の海へふく  高村満子

  うそ寒きラジオや麺麭を焦がしけり  石田波郷

  

コメント (1)
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