題詠「新涼」
①乳を飲む昭和九年の新涼の(朱露)愚
②新涼や幼(おさな)の好きなラムネ菓子(静荷)鳥・能・晴
③新涼や釈迦の御前大の字に(立雄)童・鳥・麗・遅・亜・晴・郁
④温暖化新涼もなく橋の上(狗子)静
⑤新涼や祖母の句集を読み返す(麗子)童・能・遅
⑥仰向ける嬰(やや)の薄目や涼あらた(亜子)能・狗・愚・立・静
⑦朝刊に新涼をのせ今日はじめ(晴代)朱・麗・立・郁
⑧新涼の風を伊吹に探しけり(愚足)麗・狗・立・亜
⑨新涼や空を眺むる蝉むくろ(能登)愚・静
⑩新涼や雑巾がけの濡れ素足(郁子)童・鳥・朱・遅・狗・亜
⑪新涼の来ている指を頬におく(遅足)朱・晴・郁
自由題
①初出場砂よせ集め夏終る(狗子)能・立・静
②月燋げて月光昏し爆心地(亜子)鳥・遅・立・静・郁
③片陰を故人の影と出でにけり(遅足)童・鳥・能・亜・晴
④盆休みお国言葉で用がすみ(晴代)朱・麗・遅・狗・立
⑤原爆忌詩集書棚にみつからず(愚足)童・朱・郁
⑥終バスの酔客臭し残暑かな(能登)朱・狗
⑦蝉の羽音寝つかれぬままかすれゆく(郁子)狗
⑧祇園会や消えては灯す手提灯(立雄)麗・愚・亜・静・晴
⑨物語紡いでは噤む夜長かな(朱露)能・麗・愚・
⑩新涼の旅や高原バスが行く(麗子)鳥
⑪山の湯の日暮れ早しや酔芙蓉(静荷)童・遅・愚・亜・晴・郁
次回は9月19日(水)午後6時 安田屋
題詠は「虫」秋の虫です。
こおろぎ、のように虫の名でも、虫の音、という季語でもOkです。