575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

北国街道・海野宿   遅足

2007年09月05日 | Weblog
先週、海野(うんの)宿に行ってきました。
長野県の上田地方、旧北国街道の宿場・海野宿。
街道の真ん中に用水が流れ、昔ながらの佇まいを残す宿場町です。

 夕過ぎの臼の谺(こだま)の寒さかな

一茶の句碑が建っていました。
冬は寒いのでしょう。一人旅をする一茶の心情が伝わってきます。

海野宿は、江戸時代の初めに北国街道の宿駅として開設されました。
しかし明治になって宿場町としては衰退していきました。
こうしたなか、長野県で生糸の生産が盛んになり、
海野宿は、旅籠として使っていた建物を蚕室に改造、
養蚕の町として復活しました。


余談ですが、長野県の生糸産業は、昭和の恐慌で衰えはじめ、
輸出先であったアメリカとの戦争で壊滅的な打撃をうけました。
長野県から満州開拓団に加わる人たちが多かったのは
養蚕業が衰え、失業者が増えたためでもあったようです。

一茶に学んで一句。

 秋一日白の谺の信濃かな  遅足

蛇足 真田十勇士の一人に「海野十郎」がいますが、
    その昔、このあたりを支配していた
    海野一族にちなんで創作された人物です。






コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする