575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

笠置山   遅足

2007年09月09日 | Weblog


前から登ってみたい山がありました。
場所は京都府の笠置町にある笠置山。
木津川にそった標高300米たらずの小山。
南北朝の英雄?後醍醐天皇が、幕府軍の追及を逃れ立てこもった山。
しかし幕府軍の決死隊の奇襲にあって、後醍醐軍はあえなく敗れ、
天皇は隠岐の島に流されました。
時は1331年のことです。

 うかりける身を秋風にさそわれて
   思わぬ山の紅葉をぞ見る

笠置山での後醍醐天皇の歌です。

天皇が逃げ込んだ山には笠置寺という寺院があったのです。
ここには東大寺ゆかりの高僧がいて、
第一回のお水取りは、ここの正月堂で行われたとのことです。
後醍醐天皇のおかげで由緒ある寺は焼け落ち、
信仰を集めていた磨崖仏も剥げ落ちてしまいました。

もともと、この巨岩は遠く弥生の頃から神として崇められていたもの。
それが仏教の伝来で、表面に仏様の模様を刻み込まれたわけですが、
また、もとの神様に戻ったのかも知れません。

一時、再興された笠置寺も、江戸時代にはすっかり荒廃していました。
明治に入って、再興され、いまは観光名所になっています。
紅葉の頃が最高のようです。

写真は焼け残った磨崖仏です。

  虫の音や色失わぬ磨崖仏  遅足


  

コメント (1)
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