575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

タンポポ       草女

2009年03月06日 | Weblog
 六十年も前の幼なかりし頃には、タンポポは貴重品であっつた。        タンポポが咲く場所は限られていて、菫やタンポポが咲く場所は秘密の大切なところであった。
 そこにタンポポが咲くの春真っ盛りになると、新学期を迎えた親友を得意げに連れていったものだ。一方今は貴重な蓮華畑は当時は当たり前の風景であった。
 今、どこでもタンポポを見ることができるのはセイヨウタンポポが広がったか
らだ。セイヨウタンポポが在来種を駆逐すると言われていたが、そうではなく、在来種が生息できない場所、季節にセイヨウタンポポが咲いて私達を楽しませているのだ。
 それでは、在来種か否かを見分ける方法をお教えましよう。在来種かいなかは花(舌状花の集まりで頭状花という)の下を見る。舌状花を包んでいる苞の様子が違うのだ。大雑把に言えば、苞片が反り繰り返っているのがセイヨウタンポポで、反り繰り返らないのが在来種。                         しかしこの在来種の種類を見分けるのは容易ではない。名前はカントウタンポポ、カンサイタンポポ、トウカイタンポポであるが、全部中部地方にある。上高地でエゾタンポポを見つけたという具合・・・

 さて岩波書店、現代日本生物誌5の「タンポポとカワラノギク」を読んで意を強くしたのは、セイヨウタンポポが日本のタンポポを駆逐した悪い奴ではないと思っていたことは間違ってなかった。
 ようは在来種が生きてゆけないコンクリートの隙間でもOKなのがセイヨウタンポポ。駆逐ではなく住み分けていると言ってもいい。              しかし、セイヨウタンポポもたいへんで、一つの花に200個の種子ができるというが、発芽できるのは極僅か、発芽しても81%が成長できず枯死するという。 しかも花をつけるには2年かかり、多く花さくには3年を要す。セイヨウタンポポといえ、苦労している。セイヨウタンポポであっても、タンポポを見ると心が明るくなるのは、あの色とあの形のせいだろう。私はタンポポが好き。

★添付の図を参照してください。(拡大はブログの記事名をクリックしてください)
中央がセイヨウタンポポで帰化種、花の下に反ったものが見られます。
 ぜひ野原に出てタンポポの品定めをしてください。
   
 タンポポの住み分けている大らかさ    ぐ
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