このところ、美術の話題の中で、ルオーとマティスの往復書簡がよく取り上げられます。
画風の全く異なる巨匠2人がお互いに「親愛なる・・・」と呼びかけあって、手紙をやり取りしていたことは、耳新しい。
そのうえ、2つの大戦の戦火をくぐって実物が残ったことは稀有といえましょう。
そんな話題に触れるたび、昨秋名古屋で開催された「マティスとルオー」展を思い出します。
この展覧会は出展された作品の選ばれ方や構成が、素人目にも出色。3度も観に行ったという人が今も生き生きと感激を語ってくれます。
重いのを我慢して持ち帰った図録は、編集も発色も上出来でわが愛蔵書。折々開いては、鈍った感性を刺激してもらっています。
絵を詠うことは、至難。冒涜にもなりかねませんが。
・ 今もなお亜麻仁油のにおい立つごとくルオーのおんな息づきており
・ 傷隠すすべなきピエロ眼差しのうちにルオーの視線こもりて
・ たっぷりと黒ふくませた筆のあと女体の窪みにためらいのなく
鳥野
画風の全く異なる巨匠2人がお互いに「親愛なる・・・」と呼びかけあって、手紙をやり取りしていたことは、耳新しい。
そのうえ、2つの大戦の戦火をくぐって実物が残ったことは稀有といえましょう。
そんな話題に触れるたび、昨秋名古屋で開催された「マティスとルオー」展を思い出します。
この展覧会は出展された作品の選ばれ方や構成が、素人目にも出色。3度も観に行ったという人が今も生き生きと感激を語ってくれます。
重いのを我慢して持ち帰った図録は、編集も発色も上出来でわが愛蔵書。折々開いては、鈍った感性を刺激してもらっています。
絵を詠うことは、至難。冒涜にもなりかねませんが。
・ 今もなお亜麻仁油のにおい立つごとくルオーのおんな息づきており
・ 傷隠すすべなきピエロ眼差しのうちにルオーの視線こもりて
・ たっぷりと黒ふくませた筆のあと女体の窪みにためらいのなく
鳥野