575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

第七十二回 東海民放クラブ 「塔」句会の記録です。

2009年03月27日 | Weblog

2009・3・25(水) 

春暁の富士玲瓏と横たわる(竹内)      
幼な子は雛の向きを変りをる(竹内)
馬酔木咲く夢一文字のねねの寺(寺井)小泉
ぼた餅は老女手作り春彼岸(大橋) 
花咲くを見しと言ひつつ靴ぬぎぬ(石田)中野 松田 
よみがえる古きポストへ花便り(小泉)中野 竹内 石田
つんつんとぼうず頭の春大根(竹内)中野 角谷    
盆梅の一鉢もあり転居の荷(石田)角谷 大橋 江本 荒川 小泉 寺井 松田
共白髪お手々つないで梅公園(中野)
山頂に海の風あり初桜(小泉)松ヶ崎
春暁の駅に入り来るブルートレイン(松ヶ崎)
陽射し受けにぎわう狭庭たら芽吹く(角谷)
啓蟄や出土の土器のひとかけら(江本)大橋 松ヶ崎 荒川 小泉 寺井 松田    
鳥集く目もせわしなき庭の春(荒川)寺井          
バースデイみずのとうしの春おぼろ(中野)     
春の土裸足で軽く踏んでみる(荒川)竹内 石田 
掘りおこすひと鍬ごとに土匂ふ(江本)竹内 松ヶ崎 石田
鯖ずしや立てつけ悪き白障子(寺井)松田
春疾風鳥の羽舞ふ駅舎かな(松ヶ崎)角谷 竹内 荒川 
舟形の木棺出でし春の泥(松ヶ崎)大橋 竹内 江本 石田 小泉
飛花落花しるき汀の暮れなずむ(小泉)荒川   
ものの芽の土押し上げるこの力(石田)角谷
ふきのとう雪水あびて緑増し(角谷)小泉
三川を渡る春風一列に(松田)角谷 大橋 荒川
タイヤ跡くつきり映す春の雪(角谷)    
我よりも春をよろこびわれの声(松田)
春の灯のひとつに自動販売機(松田)江本 松ヶ崎 寺井
春彼岸住職静かに掃き清め(荒川)石田
三月や仰げば尊し昭和消え(中野)大橋 江本    
号外やサムライニッポンサクラ咲く(大橋)中野
よなぐもり
霾晦ビル解体の足場組む(大橋)江本 松ヶ崎 寺井 松田
水温む貸ボート屋のペンキ塗り(江本) 
ご開帳龍も飛び出す京の春(寺井)中野
      
※今回は、会員12名のうち、清水さんが欠席し、11名が出席しました。
1人が3句を出句し、5句を選句しました。

※4月の句会は22日で、会場はいつもの通り「東生涯学習センター1F第1集会室」です。
5月は27日で、会場はいつもの通りです。

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菜の花           草女

2009年03月27日 | Weblog
 渥美半島の縄文遺跡や東大寺の瓦を焼いた登り窯跡などを見学し、そのあと菜の花畑を楽しむという会に参加した。見頃を少し過ぎたかなという気がしたが、十分綺麗であった。なにより驚いたのは花と土産物の施設フラワーパークが無くなって、そこが一面の菜の花畑になっていたとこだ。2,3回は行っているし、伊良湖岬とフラワーパークは一心同体位に思っていたから、これも世の流れかと考えさせられた。
 さて、私が一番好きと言ってもいい俳句「 菜の花や月は東に日は西に 」の菜の花と今私達が見ている菜の花は同じものではない。在来の菜の花は、明治以降、ほとんどセイヨウアブラナに取って代わられた。江戸時代、蕪村が見たのは在来種のアブラナで、高野辰之の唱歌「おぼろ月夜・菜の花畑に入り日うすれ・・・」はセイヨウアブラナ若しくは野沢菜とされている。
 また、これから観光などで河川敷や休耕地を黄色に染めるのはセイヨウカラシナでヨーロッパ原産の2年草。
 アブラナの仲間は雑種ができやすいので一つ一つの品種を見分けるのはたいへん難しい。食用の菜の花、ナバナには2種類ある。三重県が生産の主体であるナバナは、セヨウアブラナのほうで、蕾が大きくなる前に収穫する。他方、蕾付きの茎を束ねて売っているのは、在来種のアブラナ。
 アブラナと表現してきたがナタネという言い方もある。また、セイヨウカラシナと言ったり、ハルザキヤマガラシと表現している場合もある。見分けのが難しい上に名前がはっきりしていないので私達素人の植物好き泣かせの一つである。
 蛇足ですが、連れ合いの好きな菜の花の句は

    家々や菜の花色の灯をともし    木下夕爾
   
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