575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

荻原教室報告⑭  鳥野

2011年03月15日 | Weblog
ようやく春めいてきました。
荻原教室も思いなしか、伸びやか雰囲気に包まれています。

丁寧な指導で、それぞれ作品に個性も出て、「はじめての短歌」という
講座名がそぐわない程です。

題詠の題は、名古屋の地下鉄の駅名から一字というのが、現在は都道府県名からに
替わっています。

先生のお作。

 「運」

 ・ 列島は晴れて十月どこまでもわたしはわたしのかたちを運ぶ

 「所」

 ・ 誰も来ない場所がわたしのなかにある真っ暗で明るくて静かな

 「器」

 ・ 日本はつひになにも盛らずに澄んだまま静かに朽ちる器であるか

 「通」

 ・ わたしの影を誰かが通り過ぎてゆくこがらしの中区錦三丁目

 「知」

 ・ 私の知らない顔がまだある妻と雪と雪に埋もれる山茶花を見る

 「重」

 ・ わたしと他人とたぶんその妻が重なり春の影すすむ

(この原稿を作成した直後に、東日本大震災の襲来。とりあえず送信します)

 「和」

 ・ 文字が気分と噛みあはぬまま和やかなメールしあがりゆく春の朝

    




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