575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

殉死の白鳥か  鳥野

2011年03月08日 | Weblog
旧聞ですが、新聞の片隅に「古代骨壷から白鳥の骨」という記事がありました。
千葉県佐倉市の高岡新山遺蹟から出土した骨壷から人骨といっしょにオオハクチョウの骨が見つかったというのです。

その骨は翼の一部分で長さは2センチほど。40歳くらいの男性1人分の骨とともに焼かれていました。
年代は8世紀後半。仏教の影響から火葬が始まった頃と一致しました。

白は清純な色。とりわけ白い生き物は瑞兆とされ、ともに葬るには縁者の深い想いがあったことでしょう。

ハクチョウはロマンチックな鳥。ギリシャ神話にも登場して、白鳥座の星となり秋の夜空に翼を広げています。
日本武尊が死後、白鳥となって舞い降りたと伝えられるのは、名古屋の白鳥御陵。
詩歌にもよく詠まれています。

あまりにも知られ過ぎていて、とは言え、やっぱりワタシには。

 ・ 白鳥は哀しからずや空のあを海のあをにも染まずただよふ

                      若山牧水
追伸 松田宗匠が、またまた中日歌壇に入選です。

 ・ 寒鰤に光のレモン滴らすほのかにひかる舌という肉

選者小島ゆかり・・「光のレモン」「舌という肉」など詩的なセンスが光る、と。
コメント
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