巨大地震につづく大津波。
ヘリコプターからの映像を息を呑んで見守っていました。
あの津波のなかに人がいるのではないのか?
逃げて無事だろうか?
大自然の巨大な力を前に、コトバが届かない、もどかしさを感じました。
時間が経ってから浮かんできたのが、神話です。
荒ぶる神々、八岐の大蛇・・・
古代の人々は、科学の力で自然をコントロールできずに
生身のまま大自然に対峙せざるを得なかった。
その時、コトバによって自然の脅威を
想像力のなかに閉じこめようとしたのでは?
現代人が科学の力で原子力を炉のなかに閉じこめたように・・・
自然の脅威に名前を与えることによって。
この句、海神、という神話のコトバによって
成立しているのではないでしょうか?
神話の時代は、決して、過去のものではなく、今につながっており、
古代の人々のこころに近づいたような思いがします。
人間は決して負けない。
下五の、人生きる、が、作者の被災者の方々への
強い共感を、語っています。
遅足