575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

春寒し麒麟プチ缶睨みつつ    朱露

2011年03月19日 | Weblog
  戦後最悪の災害で六千人以上悲惨な死。
  機銃掃射で殺された漁師以来六十数年。
  折に触れあの漁師達が現れて六十数年。
  残り少ない年月麒麟プチ缶を睨みつつ。

          


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海神にひれふせし野に人生きる   能登

2011年03月19日 | Weblog
巨大地震につづく大津波。
ヘリコプターからの映像を息を呑んで見守っていました。
あの津波のなかに人がいるのではないのか?
逃げて無事だろうか?
大自然の巨大な力を前に、コトバが届かない、もどかしさを感じました。

時間が経ってから浮かんできたのが、神話です。
荒ぶる神々、八岐の大蛇・・・
古代の人々は、科学の力で自然をコントロールできずに
生身のまま大自然に対峙せざるを得なかった。

その時、コトバによって自然の脅威を
想像力のなかに閉じこめようとしたのでは?
現代人が科学の力で原子力を炉のなかに閉じこめたように・・・
自然の脅威に名前を与えることによって。

この句、海神、という神話のコトバによって
成立しているのではないでしょうか?

神話の時代は、決して、過去のものではなく、今につながっており、
古代の人々のこころに近づいたような思いがします。

人間は決して負けない。
下五の、人生きる、が、作者の被災者の方々への
強い共感を、語っています。

                    遅足
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