575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

金沢の旅③ 海月寺     遅足

2011年11月13日 | Weblog
銭屋五兵衛の屋敷に女中として住み込んでいた娘、
お鉄が銭屋没落の後、仏門に入り、一族の菩提を弔ったお寺。
このお寺には、室生犀星が若い頃、下宿をしていたことがあり、
その部屋が残っているそうです。
残念ながら見学は出来ませんでした。

犀星は、詩集・抒情小曲集の覚書のなかで、
この頃のことを次のように書いています。

  ここは二千戸を数へ人心すべて質純なり。
  釈迦堂といへる僧院あり。
  静かなる寺院にて有名なる銭屋五兵衛の墓碑あり。
  此処のとある一室に一年有余、転地療養せしことあり。
  世にも静かにして、優しく、美しき尼僧らによりて
  病気の予は毎日新しき野菜と、親切にして充分なる静養を
  与えられたり。

そして、この地で「かもめ」などの詩を得たと記しています。
境内の一角に犀星の句碑がありました。

  寒菊を束ねる人もない冬の日

「悼 鉄悟大尼」と前書きがありますから、
世話になったお鉄さんの死を悼んで詠んだものです。
犀星が下宿していた頃は、海が近かったと思いますが、
今はカモメも潮騒もありませんでした。





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歌麿の女の裾に冬朝日    朱露

2011年11月13日 | Weblog
   枕元のキャビネの額に歌麿の女。
   私の方を見ていないのが腹立つ。
   七時半冬至近い太陽が顔を出す。
   さあ今日もどれだけサボろうか。

            


      
    
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