岩波新書の『老いの歌』を読みました。
そのなかの一首。土屋文明の歌です。
文明は、百まで生きた長寿の歌人。老いを詠んだ歌も多いそうです。
たしかに老人になると、階段をガクンと降りるように能力が衰えます。
ある時は、ガクガクと数段も下へ。
今朝の足は昨日の足にあらざるか立ちて一二歩すなはち転ぶ
これも同じ作者の歌。
大変なのに、どこか自分を突き放して見ていることから生まれる
ユーモアのにじみ出ている歌。
いまや日本は超高齢社会。
九十歳、百歳も珍しくない。
多くの人が土屋文明と同じ境遇に置かれる時代。
あの斉藤茂吉にも老いの歌が。
税務署へ届けに行かむ道すがら馬に逢ひたりああ馬のかほ
なんじゃこれ?という歌です。
この歌の収められた歌集「つきかげ」は
茂吉の歌と認めたくないという歌人もあるそうです。
でも、ちょっと理屈の世界を離れた面白さが感じられます。
まったく新しい超高齢者社会・・・
「名歌とはならないが、これまで詠われたことのない
新しい歌の世界が広がっている」。
これが『老いの歌』の著者・小高賢さんの結論でした。
年をとれば枯淡の境地に達するというのは嘘で、
百人いれば百の老いがあるそうです。
私にはどんな老いが始まっているのか?
恐いような・・・面白いような・・・ 遅足
そのなかの一首。土屋文明の歌です。
文明は、百まで生きた長寿の歌人。老いを詠んだ歌も多いそうです。
たしかに老人になると、階段をガクンと降りるように能力が衰えます。
ある時は、ガクガクと数段も下へ。
今朝の足は昨日の足にあらざるか立ちて一二歩すなはち転ぶ
これも同じ作者の歌。
大変なのに、どこか自分を突き放して見ていることから生まれる
ユーモアのにじみ出ている歌。
いまや日本は超高齢社会。
九十歳、百歳も珍しくない。
多くの人が土屋文明と同じ境遇に置かれる時代。
あの斉藤茂吉にも老いの歌が。
税務署へ届けに行かむ道すがら馬に逢ひたりああ馬のかほ
なんじゃこれ?という歌です。
この歌の収められた歌集「つきかげ」は
茂吉の歌と認めたくないという歌人もあるそうです。
でも、ちょっと理屈の世界を離れた面白さが感じられます。
まったく新しい超高齢者社会・・・
「名歌とはならないが、これまで詠われたことのない
新しい歌の世界が広がっている」。
これが『老いの歌』の著者・小高賢さんの結論でした。
年をとれば枯淡の境地に達するというのは嘘で、
百人いれば百の老いがあるそうです。
私にはどんな老いが始まっているのか?
恐いような・・・面白いような・・・ 遅足