575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

寝返りをうって全身月の猫   遅足

2011年11月26日 | Weblog
船団・岡野ドクターの診断です。

猫は実に気持ちよさそうに全身で伸びをします。
まずその図を思い浮かべました。
でも実はこの句がよく解っていません。
寝返りをうったのは猫なのか、私なのか、あなたなのか、誰なのか?
月夜の屋根の上の猫も魅力的ですが、
あなたが月光を浴びて猫になっている図も捨てがたい。
いろいろ読めてしまうのはこの句の場合欠陥なのでしょうが、
描かれた世界が何れも魅力的なのでいただきました。

ありがとうございます。
確かに寝返ってのは誰なのか?

  寝返って全身月の猫となる

と、すれば、主語はハッキリしますね。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

顔の無きマネキン並ぶ神無月   値遇

2011年11月26日 | Weblog
顔のないマネキンと神の居ない月。取り合わせが絶妙な一句。
あるべきものの不在から、不安感も漂いシュールな絵を見ているよう。

季語の説明から脱することは、とても難しいことですが、
この句は季語を使いこなしているという指摘も。

さらに顔のないマネキンに、無個性への批判が感じられるという声も。

顔のないマネキンが現れたのは、何時ごろからだったのか?
消費は美徳、と言われた頃からでしょうか?
その頃から神様の存在も希薄になって行ったような気も。
大量消費社会は個性を消し、神の存在をも・・・
でも、神は死なず。

作者・神無月の虚無感、心もとなさ、寂しさをマネキンで
   表現しようとした句です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熱燗や昭和九年と昨日今日     朱露

2011年11月26日 | Weblog
   熱燗は冬の季語だけど一年中熱燗。
   七十七とはお釈迦様でも気がつく。
   疫痢とグラマンの機銃で二回死ぬ。
   疫痢で五才グラマンで十才の人生。

            


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする