575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

夏服の父の残像国敗れ     亜子

2014年06月28日 | Weblog
また、この時期が近づきますね。時代状況、厳しいですし、と結宇さん。

亜子さんのお父さんは旧制高校の先生。
学徒出陣する教え子に「生きて帰れ」と言ったことから、特高警察の監視下に。
そして敗戦。表現の自由を得た喜び。
ゲートル姿の暑苦しい服装から、平和な時代の夏服に戻った解放感。
そんな思い出を残像という言葉に。

結宇さんも指摘しているように、また戦前に戻そうという政治家の登場。
当たり前のことが言えない時代への逆戻りは御免ですね。

亜子さんのお父さんと同世代のM先生。
死刑台の十三階段の上に、人を登らせようとするには、腕力が必要。
しかし階段の上はパラダイスであると信じさせれば・・・
自分からあがってゆく。それが戦争への道を切り拓いたと。
半世紀前の、この言葉、今も忘れられません。

                          遅足


コメント
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