575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

安珍・清姫の鐘     遅足

2014年06月08日 | Weblog
紀州・道成寺に伝わる安珍と清姫の伝説。
清姫は、旅の僧・安珍に裏切られた怒りから蛇に変身。
鐘のなかに逃げ込んだ安珍を鐘ごと焼き殺す。

この伝説に登場する鐘が、京・岩倉の妙満寺にあるという。
ミステリーのようなお話。
妙満寺に、安珍清姫の鐘を訪ねてみました。

伝説には後日談がありました。
安珍が清姫に追われ、鐘のなかで焼け死んでから四百数十年後。
二度目の鐘が完成した時のことです。
一人の白拍子が現れて、舞いながら鐘に近づきます。
そして鐘を引きづり下ろすと、蛇に変身、日高川に消えました。

この後日談をもとに能の道成寺が創作されます。
以後、様々な芸能に取り上げられていったのだそうです。
ここでも妙満寺の名前は出て来ません。

この後日談には、さらなる後日談が。
道成寺の鐘は音も悪く、近隣に悪病災厄が続きます。
そして鐘は山林に捨てられました。
更に二百年余のち、秀吉の紀州攻めに加わった武将が登場します。
この仙石権兵衛秀久が、この鐘を拾い上げ、京に持ち帰ります。
そして妙満寺の大僧正の読経によって、清姫の怨念は解かれました。
鐘は美しい音を取り戻し、以後、今日まで、妙満寺に。
今は宝物館に安置されて、音を聞くことができないのが残念です。

とてもヤヤコシイお話でした。

この妙満寺。創建は1389年。
現在の京都・烏丸五条あたりにあったそうです。
その後、幾度か兵火で焼失。秀吉の時代には、寺町二条に移転。
さらに昭和43年、現在の岩倉に移転。
伝統を誇る京の寺にも様々な歴史模様が繰り広げられているのですね。
本堂の軒下では、ヨガ教室が開かれていました。

  雨足が駆けてくるなり梅雨の寺   遅足


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気弱でも強気になれるサングラス   能登

2014年06月08日 | Weblog
サングラスの特徴をズバッと言い切った句。

  サングラスかけ大胆に発言す   菊地凡人

  臆病に生きて濃い目のサングラス  増田守

そんな人がサングラスを外せば・・・

  サングラス強面(こわもて)気取る優しい目   すみ

そうです。優しい目があるのです。
今回の句会、さまざまなサングラスを詠んできました。

  サングラスかけ句ごころを遊ばせて  竹腰朋子

        (遅足)



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