575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

笛の音や閃光放つ蛇の舌   亜子

2016年05月23日 | Weblog
デザイン博の時に見た蛇使いを思い出して詠んだ句。
インドの蛇使いでしょうね。
舌が光のような速さで出てきます。
閃光放つ、と表現しました。

蛇は舌を使って匂いを嗅ぐそうです。
舌を出し入れして、匂いの粒子をキャッチ。
口の中の嗅覚を司る器官に送っているのです。
この器官が二つあるので、舌も二つ。

         

ちょっと違う読み方をしたのが郁子さん。
今の世、誰かが笛を吹いて人々を操っているのでは?
と読みました。

  若衆を踊らす笛に桜散る

この句、日頃、郁子さんが目にしていたもの。
作者は祖父の桐生悠々さん。同じころの作に。

  桜植えて舎利礼文を読む忠魂碑

満州事変のころ、慰霊祭の式典を詠んだ句。
若者の戦死に心を痛めていた悠々さん。
式典の後、禁酒の誓いをやぶって、大失態を見せた、とか・・・
若人たちが、踊らされて戦場へ向かっていく時勢に
耐えがたいものを感じていらしたのでしょうね。

そんな日本にならないように。   遅足

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする