先日、金石拓男さんの絵本展を、名古屋・栄のギャラリー
ごっと洞で見てきました。
金石さんは知人の息子さんで、1966年生まれ、中国に留学。
上海ビエンナーレに日本人としてただ一人入選。
中国を題材にした独特のスタイルの作品が印象的です。
絵本は、寝てばかりで働かない「三年寝太郎」のお話。
私の知っているのは、旱魃に悩む村人を救うお話ですが・・・
このお話は違います、どんな智恵を発揮しているのでしょう?
ある年の暮れ、餅つきに忙しい長者どんの家に、
寝太郎は、赤い紅を塗りたくった猫を送り込みました。
長者どんは、真っ赤になった餅など縁起が悪いと捨ててしまいます。
これを集めた寝太郎、しばらくは餅でお腹が一杯に。
さて、餅を食べてしまった寝太郎は・・・
夜、提灯を持って村人の崇拝するお地蔵様の杉の木にのぼります。
そして、こう言いふらしました。
「寝太郎は地蔵の生まれ変わりだ。
いまは食うに困っておられる。
酒、餅などを届よ」と。
作戦は見事に成功、寝太郎は何もせず安気に暮らしました。
村人は寝太郎の悪知恵に騙されたようなお話ですね。
これは昔の人が「智恵」をいい知恵、悪い智恵と別々のものとは
考えていなかったからでしょうか?
いつの間には悪知恵のお話は淘汰されていったのかも・・・
さざんかや三年先のこと思う 遅足