575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

冷やかや花びんに水の音そそぐ  晴代

2018年11月02日 | Weblog

冷ややか、は秋の季語。
秋も終わりに近づき、冬が迫ってくると
肌に触れる物や空気をひんやりと感じます。
この感触を冷やか、と言います。
「あの人の態度は冷ややかだ」などと使いますが、
これは季語ではありません。

この句、花瓶に水をそそぐ音、ではなく、
花びんに水の音そそぐ、となっています。
これはどういう意味でしょう?

冬の季語「寒し」は体全体に感じた寒さをいいます。
これに対して、冷ややか、は直接、肌に触れるというか、
たとえて言えば、ヴェールを通して感じる寒さのようなもの。
それを踏まえて、音そそぐ、と表現したのでしょうか?

皮膚感覚を聴覚に転じたところに工夫がありそうです。(遅足)

コメント
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