冷ややか、は秋の季語。
秋も終わりに近づき、冬が迫ってくると
肌に触れる物や空気をひんやりと感じます。
この感触を冷やか、と言います。
「あの人の態度は冷ややかだ」などと使いますが、
これは季語ではありません。
この句、花瓶に水をそそぐ音、ではなく、
花びんに水の音そそぐ、となっています。
これはどういう意味でしょう?
冬の季語「寒し」は体全体に感じた寒さをいいます。
これに対して、冷ややか、は直接、肌に触れるというか、
たとえて言えば、ヴェールを通して感じる寒さのようなもの。
それを踏まえて、音そそぐ、と表現したのでしょうか?
皮膚感覚を聴覚に転じたところに工夫がありそうです。(遅足)