575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

冬はじめ句会   麗

2018年11月22日 | Weblog
思いもよらぬ遅足さんの交通事故から二ヶ月。昨日、お元気に句会に出席して下さいました。
まだ右手がご不自由とのことでしたが、復活の俳句は見事トップ賞!!シンプルな表現がますます遅足さんの魅力に加わり一同圧倒されました。遅足さんの新境地、ますます期待が高まります。
小春日のお天気も味方して和やかな冬はじめの句会となりました。
では一言講評です。


題詠「冬はじめ」

①冬はじめヒートテックのまとめ買い

ユニクロの温かい下着のヒートテック。一度着ると手放せなくなりました。どんどん繊維も進化しています。冬のはじめの買い物です。

②瀬の音に目覚めし鏡花冬はじめ

金沢出身の泉鏡花。作者も金沢で暮らしたご経験があるようです。時代を超えて浅野川の瀬音を聞いたのでしょう。

③加減よく菜にふる塩や冬はじめ

ご自身で白菜のおつけ物を作られる作者。白菜を半日干してから慣れた手つきで塩を振ります。家の母が「初雪のようにふる」と言っていたことを思い出しました。ちなみに作者は浅漬けがお好きだそうです。

④走り寄る頬紅き子の冬始め

走り寄って来たのはお孫さんでしょうか?最近りんごのようなほっぺの子供が少なくなりました。

⑤手帳買う空欄の未来(あす)冬はじめ

「日記買う」は冬の季語ですが「手帳買う」は季語ではありません。
未来を「あす」と仮名を振るのはいかがなものかという説もあるそうです。「あすを買う」にしては?というアドバイスもあり。

⑥耳で振るカセットボンベ冬はじめ

身近な暮らしからの一句。「耳で振る」の「で」に賛否両論。「耳に振る」ではいかがでしょうか?

⑦木魚までとどく日差しや冬はじめ

仏間の木魚まで冬の日差しが届きました。これが遅足さん復活の秀句です。お見事!!

⑧はや点る赤提灯や冬はじめ

日暮れが早くなりました。大須のお店の赤提灯がつきました。作者は女性でした。


⑨夕月のはやくも冴えて冬はじめ

「冴えて」も冬の季語でした。三日月が目に見えるようです。

⑩池の鳥くるを待ちをり冬はじめ

「くる」が惜しいとの声がありました。

⑪冬はじめ子らも鎌手に歩道(みち)の草

この仮名も少し無理があるような。読みづらい感じがしました。


⑫奈良坂や原生林の冬はじめ

「奈良坂」の固有名詞があるのですが、ややイメージを抱きにくいのが残念でした。

⑬南座の顔見世興行冬はじめ

京都の冬の始まり。「顔見せ」がそもそも冬の季語とのことでした。季語は難しいですね!

いかがでしたでしょうか?
例年になく暖かい冬はじめでしたが、明日からいよいよ寒くなるようです。
皆様温かくしてお過ごし下さい。そして来月は平成最後の忘年句会です。

12月19日(水)の午後13時20分からです。
お題は年末、年の暮れに関わる一切の季語OKです。いろんな季語が揃いそうですね。

尚、来年の話ですが、1月の新年句会は、イレギュラーで第四週の 23日(水)になります。ご注意下さい。麗

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