父の第四歌集 「 永遠と木草 」( 昭和57年 ) より
竹生島 遠くおぼろにかすみつつ 蒼深きかな琵琶のみづうみ
みづうみは鈍く光りて影の如き 竹生の島はいつまでも見ゆ
竹生島 ( ちくぶしま ) は、湖北の沿岸沿いならどこからでも眺められます。
私は今回 、彦根から長浜まで湖岸道路を車で向かいましたが、長浜市の
尾上( おのうえ )という所から見た竹生島が気に入って、そこで写真を
撮ってきました。
「 永遠と木草 」より
曇 ( どん ) 色にたたふる琵琶の みづうみは そのままくもれる空につらなる
荒海のなぎさと矢張り異りて 琵琶のみづうみのなぎささざなみ
琵琶のうみ空と水とのけじめなく 曇り光れり塩津過ぎれば
塩津は湖北の長浜市西浅井町 ( にしあざいちょう ) にある古くからの港町。
江戸時代まで琵琶湖水運の要所として栄えました。日本海で獲れた海産物
や物資は 敦賀で水揚げされ、深坂峠 ( 370 m ) を越えて塩津港に運ばれ
ました。ここで再び船積みして湖上を大津へ。
最後に陸路で京、大阪まで運んだそうです。
( インターネット「 塩津港 ~ 以内恵子 ~ 」を参考 )
若狭からの場合は小浜から若狭街道を通って今津へ運び、後は敦賀ルート
と同じコースを辿りました。
かっては、物資の中継地として栄えた塩津も今はその面影もなく、ひっそり
と静まりかえっていました。
滋賀県長浜市尾上 ( おのうえ ) から見た竹生島 筆者 撮影
尾上の近くには野鳥観察館があって時々行きます。
そろそろ白鳥など渡り鳥の季節ですね。
竹生島がなかったらサミシイ景色でしょうね。遅足