泉鏡花。高野聖などの名作を残した明治の作家。
明治6年、金沢市下新町で生まれました。
この地に鏡花の記念館があり、近くを浅野川が流れています。
作者の旅先での思いを句に詠んだものでしょうか。
瀬の音に目覚めると・・・浅野川。ここは金沢。
泉鏡花のことを思いだしました。
あの鏡花もこの瀬の音に目を覚ましたことであろう・・・と。
冬のはじめ、空気の澄み切った早朝。
瀬の音がはっきりと聞こえてきます。
季語の冬はじめ、が、ぴんと張りつめた
北の都の空気を伝えてくれています。
写真で見る鏡花は神経質そうな顔ですが、
有名な潔癖症で、生ものは決して食べませんでした。
貰い物の菓子をアルコール・ランプで炙って食べたり、
酒は煮立つまで燗をつけなければ絶対に飲まなかったそうです。
また「豆腐」の字を嫌い、かならず「豆府」と書いたとか。
(遅足)