575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

木犀と風もつれつつ夜を織る  晴代

2019年12月16日 | Weblog


夜。風が吹いています。木犀の香りが漂っています。
視覚を遮断し、触覚と嗅覚に絞った句。
下五の「夜を織る」が素晴らしい。詩的な表現です。

<ことば>でなければ表現できない美しさがあります。
木犀と風が織りあげる夜。どんな夜でしょう?
ちょっとエロチック?
一瞬にして消えてしまう幻のような夜でもあります。遅足
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見上げれば 雪虫舞うや 鉛<にび>の街 <殿>

2019年12月16日 | Weblog


雪虫は雪が降る前に現れる白い綿毛のような虫。
熱に弱く捕まえると体温で弱り死んでしまう。
飛翔力も弱く冬の北風に流されていきます。

地方により呼称が違い京都では「白子屋お駒はん」
井上靖 著「しろしばんば」は伊豆地方の呼称です。

雄は口がなく摂餌できず7日間ほどの命。
雌も産卵までの命。
まさに、溶けて消えゆく雪のような虫。

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