575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

熟れザクロ赤き裂け目に光入る  紅

2019年12月11日 | Weblog

石榴の原産は中央アジア。秋に実が熟すると、皮が裂け紅色の小さな実がぎっしりと。
酸味があり、食べられますが、あまり美味しいとは感じませんでした。
根や皮は薬にも広く利用され、平安時代には日本にも。

ギリシア神話にザクロに関わる話があります。
酒神のディオニューソスが、娘に王冠を授けるとだまして弄びます。
捨てられた娘は死んでしまいます。
それを嘆いたワインの神であるバッカスは彼女をザクロの木に変え、
その果実に王冠を与えたと言われています。

また、キリスト教美術ではザクロは希望や不死の象徴として描かれます。
ザクロの果実に沢山の種子があることから、豊穣や多産の象徴ともされてきました。

あらためて句を読んでみましょう。
豊穣のシンボルの石榴が熟れ、皮に裂け目ができました。
そこに光が射す。それを「光入る」と詠んでいます。
朝の光でしょうか。射し込む光に宝石のような美しさです。

石榴がひかりを受けれているようです。受胎の一瞬とも読めます。
みなさんはどのように読まれますか。
                   遅足
コメント (1)
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「冬ざれに 文<ふみ>破り捨て 空を見る」<殿>

2019年12月11日 | Weblog


未開封の郵便。
ざっと目を通し破り捨てます。
1年という時を破り捨てる印象。
気晴らしに空を見上げます。

早いもので今年もあと半月あまり。
この場をお借りして、
先輩諸氏に年の瀬のご挨拶を申し上げます。<殿>
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