石榴の原産は中央アジア。秋に実が熟すると、皮が裂け紅色の小さな実がぎっしりと。
酸味があり、食べられますが、あまり美味しいとは感じませんでした。
根や皮は薬にも広く利用され、平安時代には日本にも。
ギリシア神話にザクロに関わる話があります。
酒神のディオニューソスが、娘に王冠を授けるとだまして弄びます。
捨てられた娘は死んでしまいます。
それを嘆いたワインの神であるバッカスは彼女をザクロの木に変え、
その果実に王冠を与えたと言われています。
また、キリスト教美術ではザクロは希望や不死の象徴として描かれます。
ザクロの果実に沢山の種子があることから、豊穣や多産の象徴ともされてきました。
あらためて句を読んでみましょう。
豊穣のシンボルの石榴が熟れ、皮に裂け目ができました。
そこに光が射す。それを「光入る」と詠んでいます。
朝の光でしょうか。射し込む光に宝石のような美しさです。
石榴がひかりを受けれているようです。受胎の一瞬とも読めます。
みなさんはどのように読まれますか。
遅足